東京・横浜間をクルマで走った時に、いろいろなお店を観察しました。
「店は街の宝物」とまでいかなくても「街という舞台の重要な登場人物」であることは間違いがありません。
「店は自分のためだけにあるのではない」ということをはっきりと自覚できたのは、大きな収穫でした。
お店にはやはりワクワク感が必要なのです。
そのためにもお店はオシャレでなくてはなりません。
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ミシュランのレストランガイドで星がつくことはすごく名誉なことです。
生半可な努力では星を獲得することは出来ず、またそれを維持していくのも大変なことだと思います。
その名誉はそのお店だけの名誉ではなく、地域の名誉でもあるはずです。
単にレストランだけではなく、どんな職種の店や会社であっても「星」がつくように頑張りたいものです。
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ある評判のいい動物医院があります。
ミシュラン的に言えば「1つ星」といった感じでしょうか。
ところがあまりに繁盛しすぎて、院長が傲慢になってきたのです。
犬仲間の口コミ情報は早いので、徐々に来院数が減っていくことが危惧されます。
会社経営でも開業当初は真剣に打ち込んでいたものが、だんだんと顧客が増え、売上が上がってくるにつれ、油断し、手を抜くようになります。
あるいは本業以外のものにパッと手を出して大失敗してしまったりすることがあります。
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経営の敵は「傲慢、油断、飽き」だといつも思っているのですが、よほど謙虚で素直な気持ちでないと「魔」はすぐに忍び寄ってくるのです。
昔、松下幸之助さんが「本日開業」という標語を提言し、そのポスターが全国の松下の代理店(電気店)に貼ってあったことがありましたが、たしかに「本日開業」の気持ちであれば、傲慢になりようがありません。
本日開業なのだから、油断も飽きも持ちようがありません。
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まず目指すべきは「ミシェランの星がつくようなお店になろう!」だし、また日々改善してどんどん進化していくのが、店や会社の使命でもあります。
実際、今回ミシェランの評価で3つ星や2つ星がついたお店の中には、以前は全然大したことがなかったところがあるのです。
「あのお店がよくまあミシェランの星を取れるところまで成長したものだ」とちょっとビックリするのですが、きっと相当の精進を積み重ねてきたのでしょう。
地域の人たちが誇りに思うぐらいのお店や会社を目指すのが、経営者の本分だという気がしてきました。