何度も書いてきたかもしれませんが、来年の世界経済はかなり厳しいものになりそうです。
特にヨーロッパと中国。
ヨーロッパでは不動産バブル崩壊とPIIGSの問題。
日本が「失われた10年」で苦しんでいた頃、ヨーロッパ経済は絶好調でした。
不動産バブルも膨らみ、それがリーマンショックで一挙に破裂(厳密に言えばリーマンショックは結果であって、その2年前からバブルは崩壊していました)。
「山高ければ、谷深し」で、いったんバブルが崩壊すると、そのあと元(もと)に戻るのに10年ではきかないのです(日本の例を見ればよく分かります)。
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普通に考えても、ギリシャ問題など片付くわけがないと思うのです。
ギリシャは公務員の比率が高く、従って経済効率が極めて悪く(要は人々が働かない)、EUの足を引っ張る存在であることは間違いありません。
ギリシャはヨーロッパ文明発祥の地なのに、今のギリシャ人を見ていると、長い歴史の間にすっかり民族が入れ替わったとしか思えません。
ついでに言うとエジプトも、ピラミッドを作った頃の高度な文明人の末裔とはとても思えないではないですか。
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ギリシャ国債がデフォルトになると、ギリシャに多額の資金を貸し付けているフランスやドイツの金融機関が経営危機に陥るというリスクがあります。
本当はギリシャをユーロから切り離し、元の通貨であるドラクマにして、思いっきりドラクマ安にすれば、再建できる可能性はあるかもしれません。
何といってもギリシャは観光で一定の収益を見込むことが出来るからです。
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国の経済が破たんすると、その通貨の価値が一挙に200分の1ぐらいにまで下がるなんて現象は今までいくつもありました。
例えば日本円は明治に設定した時は1ドル1円。
それが段々と円安になり、第2次世界大戦前は1ドル2円。
ところが戦争に負けると、1ドル500円ほどに下落。
各産業によってバラバラのレートだったというのも興味深い事実です。
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それをドッジが来て1ドル360円に設定しました。
360円という数字も、頃合いがいいので適当につけたような気がします。
ところが驚くことに沖縄は1ドル120円に。
これは軍事基地として資材や資源を輸入しやすくするための処置でした。
当時もう既にソ連の軍事力が脅威になっていたからです。
いずれにせよ為替というのは、もっと厳格なものかと思っていたのですが、けっこう「いいかげん」なのかもしれません。