2012年の世界経済

フランス・ベルギー系の大手銀行であるデクシアが破たんしました(ただし政府の救済はあるようですが)。
これは一つの象徴であって、苦しい銀行はもっと他にもたくさんあるはずです。
今後もまだまだ銀行破たんのニュースが、ヨーロッパから流れてくるに違いありません。
日本の新聞だけを読んでいたのでは、ヨーロッパ経済の動きはあまり分かりません。
今後は出来るだけ海外新聞のウェブサイトにも目を通していきたいと思っています。

2007年9月にイギリスのノーザン・ロック銀行で取付け騒ぎが起こりましたが、この時は”たまたま”英語の勉強のため見ていたBBCのウェブサイトで知りました。
「今どき先進国で取付け騒ぎが起こるなんて…」という感じで見ていたのですが、その後サブプライム問題の影響がますます大きくなり、世界経済はかなりの速度で降下し始めました。
サブプライム問題自体は2006年ごろからくすぶっていたのですが、2008年9月のリーマンショックで“とどめ”が刺されました。

日本はバブル崩壊の「先進国」ですが、1997年ごろは大手の銀行や証券会社がボロボロと崩れていきました。
その頃は自分の会社の立て直しで精いっぱいで、マクロ経済のことまで構(かま)っている暇がなかったのですが、今回はじっくりと腰を落ち着けてマクロ経済や世界経済を観察・研究していこうと思っています。

ノーザン・ロック銀行の取付け騒ぎの、ちょうど1年後にリーマンショック
今回のデクシア銀行破たんの1年後にも、相当大きな波が来るはずです。
ヨーロッパ経済はギリシャ問題で揺れていますが、ギリシャの救済はもう無理だと感じます。
またギリシャの後にはPIIGSの面々が控えており、よほどのことがない限り、欧州経済の回復は、ここ数年ありえないようにも思うのです。
「よほどのこと」の中には戦争も含まれます。

中国経済も2012年にはバブル崩壊現象を始め、今までのさまざまな矛盾が一挙に顕在化してくるでしょう。
日本経済は昭和末期のバブル崩壊で「失われた10年(実感的には15年)」を過ごしました。
が、中国のバブル崩壊ではもっと大きな経済的津波が押し寄せてきそうです。
中国の場合、経済の破たんが経済だけの問題で終わらず、国家体制自体の崩壊へと繋(つな)がっていく危険性があるのです。

また社会が動乱状態になると、人民解放軍のシビリアン・コントロールが利かなくなり、軍が政府を無視して暴走する可能性も否定できません。
日本にとっては、中国のバブル崩壊による経済的な悪影響よりも、軍事的な脅威の方がより大きな危機を孕(はら)んでいると言えそうです。