「ニッチで断トツ」戦略

「商売(ビジネス)はすべて需要と供給の関係によって決まる」と喝破した事業家がいます。
商売とは結局のところ「お客様をいかにライバルと取り合うか」に尽きるのではないでしょうか。
全国の不動産店を見ていても、大手が入ってこられないぐらいの小さな商圏(街)でナンバーワンのところが、とても繁盛している例をいくつも知っています。

早い話が日本で一番需要が多いのが東京ですが、逆に競合店も山ほどあるわけです。
地方で成功した会社が東京でも成功するかと言えば、その保証は全くありません。
むしろ地方の地元で、根を深く降ろして営業する方が、ライバルが少ない分「労少なくて益多し」ではないかと思うのです。

「商売はすべて需要と供給の関係で決まる」は、コインパーキング事業を始めてから痛感しています。
コインパーキングは立地がすべてで、商品もほぼ同じ。
サービスの良し悪しはあまり関係がありません。
順調に売り上げを伸ばしていたコインパーキング場のすぐ近くにライバルのコインパーキング場が登場すると、あっという間に売上が減少します。
あとは一気に価格競争となることも少なくありません。

一方、立地の悪い場所でも、ライバルさえ現れなければ、それなりに売上が安定して読めるのです。
けっこう繁盛していたコンビニ店でも、近くにライバル店ができた途端、撤退するケースをよく目にします。
普通の商店だと売上が下がると、しきりに品ぞろえやサービスを気にしてしまうものですが、案外「需給の変化」がその原因のすべてだったりすることが多いのではないでしょうか。

いかにニッチな商圏や商品でナンバーワンになるかは、中小零細会社にとって大切な戦略です。
その根底には「ニッチであればライバルの侵入を防ぎやすい」という意味合いがあると思うのです。
大手企業が入って来ても利益が出ないぐらいのニッチさ。
もしくは最初から入る気にならないぐらいの小さな商圏。
「ニッチで断トツ」はランチェスター戦略そのものでもあります。