油断大敵

ミシュランの星を取ったレストランやお店の中には、開店の時から知っているというところがあります。
決して最初からオーラを放っていたというわけではないのです。
しかし日々改善していき、どんどんよくなってきたのに違いありません。

同じように会社だって、最初から抜群というところは極めて少ないのです。
向上心を持ち続けるのは案外難しく、途中で挫折し、やる気をなくしてしまうことがあります。
「驕り・油断・飽き」にひっかかると、その間会社は停滞するだけに留まらず、明らかに後退して行きます。
後退する余地がなくなると「倒産」ということになるのでしょう。

「驕り・油断・飽き」は経営技術の問題ではなく、明らかに心の問題です。
良き師を持っていたり、良書に親しんでいたり、正しい信仰を持っていたりすれば、かなりの確率で、こういった心の落とし穴にハマることが防げるのですが、ちょっと成功するだけで人は簡単に増上慢になってしまいます。

自分が増上慢になっているかどうかをチェックするのは難しくありません。
増上慢になると不思議なことに、時間に遅れ出すのです。
経営者が時間にルーズになると、かなり危険な状態です。
朝の出勤が遅くなるのも極めて具合が悪いのです。

約束の時間にルーズだったり、朝が遅かったりする経営者が、いつの間にか消えていなくなってしまう例を、私は何件も見てきました。
心が乱れると、まわりの環境も乱れます。
これも危険信号なのです。

逆に「整理・整頓・清掃」をキチンとやり出すと、心も整うのです。
会社のトップが職場の環境整備に関心がないと、社内はキレイになりません。
「整理・整頓・清掃」が出来ない会社は、それこそ世の中から整理され、掃き捨てられてしまいます。

「整理整頓が出来ない“だらしない”スタッフは、整理してしまうのが一番。そうすればクレームも減るし、残った人たちがイキイキしてくる」と友人の経営者が過激なことを言っていましたが、あながち否定できず、思い当たる節も多いように感じたものです。