私の語学学習法 その2

語学を勉強しようと思っても、ビジネスマンは何せ時間が足りません。
結論から言うと、時間が足らない分をお金で補うというのがビジネスマンの語学学習の方法だと言ってもいいかもしれません。
実際、語学の達人の本を読んでも「語学学習にはお金を惜しむな」と書いてあることが多いように思います。

語学学習に限らず、この世はすべて「やる気の継続」だと思うのです。
まず「やる気」がなければ始まらないし、それが「継続」しないと事は成就しないのです。
仕事でも勉強でもスポーツでも、敵は「飽き」です。
飽き始めているのを我慢して続けていっても、結局中断につながるのです。
勉強など楽しみでやっていかないと、ぜんぜん面白くないではないですか。
そういう意味では試験勉強など、よほど何かの強い目標がないと出来るものではありません。
経済的な基盤が出来てしまうと、試験勉強など出来るものではないというのが実情です。

私は95歳までバリバリの現役で働くつもりなので、今からでも新入社員が定年まで働くぐらいの時間があります。
そうすると語学だって日本語を含めて6ヵ国語ぐらいはマスターできるのではないかと考えています。
ただし現役の経営者としては、ルーティンワークに追われ、余程工夫しないと語学学習の時間などまず取れません。
私はテレビはほとんど見ないのですが、それでも余った時間に読書するか語学学習するかの選択を迫られると、“ついつい”読書の方に向かってしまいます。

語学学習であっても、やることを絞らないと、時間がいくらあっても足らないことに気づきました。
そこで「音読・多読・単語力」のみに集中することに決めたのです。
で、ほかの学習手法はどうするかと言えば、カットなのです。
全くやりません(というより、やる時間がありません)。
経営でも、何をするかを決めることも大切ですが、何をしないかを決めるのはもっと大事です。
語学学習でも経営方法と全く同じやり方をしようと思っています。

「音読」は声を出して読むこと。
ただそれだけ。
「ウォール・ストルート・ジャーナル」を購読しているのですが、毎日来る新聞の中から興味のある記事だけ、声を出して読むことにしました。
毎日変わる世界の情勢のことなので、飽きが来る余地がありません。
ドイツ語でもそれをやりたいのですが、日本で購読できるドイツの新聞がどうもないようなのです。

「多読」は本をとにかくたくさん読むこと。
本は好きなので、日本語でも外国語でも、どちらでもいいわけです。
ただ外国語の場合、自分の実力で読めて、しかも興味が持てる本となると、見つけるのがなかなか難しいという難点があります。
海外へ出たときに、出来るだけ書店により、自分が読めそうな本を仕入れることにしています。

今度、上海への旅を予定にしているのですが、ガイドブックで調べると「外国語専門書店」があるようです。
北京でも同じような書店があり、かなり楽しい時間を過ごせました。
本も語学CDもたっぷり買ってきたことは言うまでもありません。

最後の「単語力」ですが、とにかく地道に増やしていくしか方法はありません。
雑誌のタイムなどを読んでいても、知らない単語がいっぱい出てきます。
英語の本を読もうと思ったら、まず1万語の単語が必要なのだそうです。
ネイティブの知的職業の人は5万語の語彙力だと聞きます。
単語を知らないと話にならないのです。
逆に単語力さえあれば、語学はけっこうイケてしまえるのも事実なのです。

ビジネスマンは単語帳を作っていく時間はありません。
単語の本を買っていけばいいと思っています。
覚えた単語をいくら忘れても全然気にせず、とにかく前に進んでいく姿勢さえあれば、どうってことはありません。
私自身は単語を覚えていく過程がそれほど苦痛ではなく、少しずつ賢くなっていくような気がして面白いのです。
いずれにせよ「音読・多読・単語力」で突き進もうと思っています。
このキャッチフレーズは、ちょっと韻(いん)を踏んでいて、お気に入りなのです。