年千冊の読書力 その16

8月は休みが多い割には、さほど読破数が伸びませんでした。
海外旅行に出ると、飛行機の中はともかく、ホテルでじっくりと本を読むということは少ないのです。
せっかく外国に来ているのだから、部屋の中で本を読んでいるより、外へ出た方がいいということもあります。
しかしながらヨーロッパやアメリカなど、時差がかなりある場所だと、夜中に目が覚めてしまうことがよくあります。
夜中の1時頃目が覚め、そのまま朝まで本を読んでいるなんてことは、けっこう“しょっちゅう”です。

こんな時はホテルの部屋で本と対談している感じ。
またどういうわけか、こういう時に「いい本」と出会うことが多いのです。
異国でひたすら本に感動しているというのは、非日常的な体験ですが、これもまた旅の醍醐味。
本を読むために出る旅だってあるのです。
ついでに言えば、本を買うために出る旅だってあるのです。

書店の担当者が本の買い付けに行くのならともかく、一介の旅人が外国語の書物を買いに海外旅行に行くなんて(ましてや私ごときの語学力で)、ちょっと変ではないかという引け目がありました。
しかし語学の達人(NHKロシア語講師)の黒田龍之助さんの本を読んでいて、そんな旅もあるのだということを知り、意を強くしました。

15万冊の蔵書を誇る渡部昇一先生などは、海外で段ボールいっぱいの本を買われることも少なくなく、イギリスの古本屋では有名な存在のようです。
こうして集められた本の中には、世界で数冊しかないような貴重な本も含まれ、それはそれで書物自体が大変な「お宝」となっています。
渡部昇一先生が所有している英語の本のリスト(本になっている)があるのですが、それが日本の古本屋で3万円ぐらいで流通しているとのこと。
またそのリストを見たイギリスの学者は「これだけの蔵書はイギリスでもない」と驚いたそうです。