世界金融危機

1週間ほど前「ワシントン・ポスト」を読んでいたら、「今のようなドル高になっても、アメリカ人はもっと輸入をしたいとも思わないし、海外へ遊びに行く気にもならない」という記事がありました。
「えっ、ドル高?ドル安じゃないの?」と、読み進んでいくと、ドルは円にこそドル安ですが、ほかの通貨には高くなっているらしいのです。
こういうのは日本の新聞を読んでいても、なかなか分からないことですね。

1987年10月19日はいわゆる「ブラックマンデー」。
ニューヨークの株価が1日で22%という史上最大の下げ幅を記録しました。
1929年10月24日の暗黒の木曜は13%なので、これよりもすごかったわけです。
ここしばらくの株価は1日で10%下がることなど“しょっちゅう”で冗談で「ブラック・エブリデー」と呼ばれているそうです(冗談が出ているうちはまだいいのですが)。

TEDスプレッド」という名前を初めて聞きました。
国や企業が「どれぐらい危機なのか」を計るための極めて重要な指標なのだそうです。
この数字が大きいほど危機が大きく、例えば「ブラックマンデー」や「アジア通貨危機」の時は「2%」。
それがリーマン・ブラザーズ破たん時で「4%」となりました。
いわば今回は、以前の倍ぐらいの危機だということになります。
この数字が大きくなればなるほど、おカネを貸す銀行がなくなり、流通すべき資金が枯渇するのです。
今は2%ぐらいに戻っているのですが、長期的にみるならば相当の高水準。
金融的な緊張はずっと続いていると言って間違いありません。

今回の世界金融危機アメリカの住宅バブルの崩壊から始まっているわけですが、住宅価格自体はまだまだ下げ止まりとはならないはずです。
従ってなかなか損の底が見えません。

またCDSという一種の保証債務が顕在化すれば、この程度の金融危機では終わらないとも言われています。
社債の購入者は、その会社の破たんのリスクに備えて、保証料を支払って保証を買うのですが、その保証のことをCDSという(らしい)のです。
CDSを売った方は企業が破たんしなければ丸儲けですが、破たんすれば大変。
その大変なことが今起こっているわけです。
AIGの救済の理由はCDSだと言われています。
AIGがたくさんCDSを引き受けていたため、AIGが潰れると市場が混乱するからです。

ドイツや中国のGDPは3.3兆円。
ひょっとしたら中国がドイツを抜いたかもしれないとのことです。
中国は日本のGDPの4分の3ぐらい。
中国にすれば日本の背中が見えたという状況でしょうが、さまざまな不安定要因もあり、さてどうなっていくのか注目です。

アメリカ発の金融危機なのですが、今はむしろドルが世界中で足らないのです。
危機だからこそ、使い勝手のいい通貨が求められるからです。
そう簡単には基軸通貨を外れないということなのでしょう。
FRBアメリカの中央銀行ですが、危機回避のためには今は「なんでもあり」。
従ってFRBのバランスシートは膨張の一途。
このまま膨張した時に、将来も同じようにドル紙幣への信頼が保てるのかどうか。
ドルが基軸通貨としての危機を迎えるのは、この時でしょう。