世界金融危機の結末は「円高・(日本の)株高」になるに違いないと睨んでいたのですが、2009年年初からしばらくは円安傾向でした(株高の方はもっとずっと先のことだと思っています)。
「オバマ大統領への期待感から」と説明されていたのですが、ここにきてまた円高傾向です。
住宅バブル崩壊に端を発した金融危機は、実体経済にまで影響を及ぼし、アメリカの製造業を代表する自動車メーカーの危機にまで展開しました。
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莫大な赤字財政にもかかわらず、景気対策になりふり構わず予算をつっこみ続けると、どこかで帳尻が合わなくなる危険性があります。
無理が重なり、アメリカ経済がどこかで破たんするのではないかという懸念すら感じます。
アメリカは海外から資金が流入している間は経済がうまく回るのですが、その流れが止まると非常に具合が悪くなります。
中国や日本がいつまで国債を買い続けるのか、あるいは海外の投資資金がニューヨーク株式市場にいつまで入って来るのかに依存しているわけです。
上場企業の評価は株価が上がること。
一国の経済の評価は通貨の価値が上がること。
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「アメリカがダメならヨーロッパがあるさ」といきたいのですが、ヨーロッパはもっと厳しいようです。
とくにイギリスはバブルの金融業に依存しすぎていたため、相当落ち込みが激しいようです。
住宅だってアメリカ以上にバブルでした。
「山高ければ谷深し」は一つの法則なのかもしれません。
金融立国と称していたアイスランドなどは、株価が10分の1になっています。
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傲慢さが垣間見られると、見事に天からしっぺ返しが来るというのも、一つの法則。
1985年ぐらいから数年、いい気になっていた日本経済もあっという間にバブル崩壊。
そのあと七転八倒の15年を過ごし、その間世界中が好景気。
日本は傲慢になりようがなかったので、今回はかろうじてセーフ。
日本経済がガタガタの時、「時価会計」がグローバル・スタンダードとばかり、むりやり導入させられました。
アメリカ経済がピンチの今、アメリカ自らが時価会計をやめようと言いだしています。
経済でも軍事的な戦争でも、負けたら言われ放題なのです。
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1998年のロシア経済危機の時は、1ルーブル400円だったのが、なんと1ルーブル2円になってしまいました。
ちなみに今いくらかといえば、1ルーブル2.82円。
戦前1ドル2円だったのが、戦争に負けて1ドル360円に。
本当の実力は1ドル500〜600円ぐらいだったそうです。
一国の経済が急激に弱まると、とてつもないインフレになったり、とんでもない通貨暴落になったりします。
世界的にバブルの化けの皮が剥がれた今、「まっとうな」経済が大手を振って歩けるようになったのは、後世「とてもよかった」と評価されそうな気がします。