世界動向を見る その1

世界の株価は一進一退。
先日のニューヨーク株の下落に呼応して、各国の株価も下がりました。
ウェッブサイトの英字新聞を見ると、韓国でも香港でも株価の下落がトップ記事でした。
1929年の大恐慌の時は株価は3年かかって10分の1に下落したのですが、それと比べると今はだいぶまし。
恐慌への恐れがなくなり、ようやく「普通の不況」になったという感じです。

不況に呻(うめ)いている各国経済をしり目に、一人気を吐いているのが中国経済ですが、ちょっとバブルという懸念があります。
財政支出が個人の不動産投機を後押ししている嫌いがなきにしもあらず。
中国はバブルの後の物凄い不況をまだ経験したことがないように思います。
経済は何度もバブルやその崩壊を繰り返して一人前になるのかもしれません。

アメリカも不況がゆえに(ほかにも原因はあったのでしょうが)共和党から民主党政権に替わり、日本も自民党から民主党政権交代
その点中国は政権交代というものがありません。
今の中国共産党に代わる受け皿がないわけですから、政権交代イコール革命ということになります。
中国の歴史をみると、地方の農村部から一揆が起こり、それが大勢力となって王朝が変わってきました。
中国各地で起こっているという暴動が、やがて国家体制をも変える可能性があるというのが、他の国にはない中国独特のリスクです。
アメリカや先進欧州国や日本では、まず考えられないリスクでもあります。

欧州はしばらくの間厳しい状態が続くかもしれません。
サブプライムに端を発する世界金融危機以降、国家破たんに近い国が続出しました。
アイスランドは人口30万人の小さな国ですが、金融バブルで大いに潤っていました。
しかし金融危機以降は、国内の3つの銀行がすべて破たんし、経済は瀕死の状態になっています。
ほかにもハンガリーウクライナバルト三国の苦境を耳にします。
東欧などの新興経済国は、外国からの投資資金の引き上げにより、資金不足に陥りました。