仮説を立てて未来を見る

歴史の残るような様々な出来事に遭遇しているのに、見過ごしてきていることがたくさんあります。
その時はそんなに重要なこととは分からないのだけれども、後から考えると「あれが分岐点だったのだ」というようなこともあります。
「あの時、自分は何をしていたのか?」も絡(から)めながら、重大な事件や出来事を脳裏に鮮明に収納しておきたいものです。

1997年7月1日、香港を中国に返還する式典が華やかに行われたのですが、その翌日からアジア諸国の通貨が大暴落を始めました。
アメリカから流入していた短期の投機資金が引き揚げ出したため、資金不足に陥った地元の金融機関は企業への貸し出しを渋って資金を回収。
そしてそれを売ってドルを返したため、各国通貨は大暴落。
また各国企業も資金不足でカネ詰まり状態になったわけです。
タイ、インドネシア、マレーシア、そして韓国にまで影響が及び、経済がガタガタになりました。
IMFが救済に乗り出したものの、処理の仕方が手荒過ぎて、余計に混乱を引き起こした感もありました。

1989年の11月に実は不動産のバブルは崩壊していたのですが、人々は気がつかず、その年末に日経平均は過去最高の39,815円を記録したのです。
バブル崩壊後の不良資産処理は大変で、7年ほどたった1997年秋に山一証券北海道拓殖銀行が経営破たんとなりました。
アジア経済危機と同じ年です。

歴史は「原因があって結果が出る」もしくは「予兆があって結末が来る」の連続で、仮説を持ちながら注意して観察していくと、けっこう次の流れが見えてくるのかもしれません。
「ひょっとしたらこうかもしれない」の仮説を立てることは大事で、これは不断の勉強プラス直感力がモノを言うのだと思います。
「注意して観察」も当然必要で、とりあえずは、気になる出来事を手帳に記入していきたいと思っています。
最新の記入分は「イチロー9年連続200本安打」と「鳩山内閣発足」であります。