中国経済を見る その4

バブルの時、日本の公定歩合は6%。
それが今では0.25%になっています。
日本の公定歩合は当面上がりようがないのですが、中国では先日0.5%上げました。
金利の上昇ぐらいではバブルは崩壊しないのですが、融資をストップさせる政策を取ると、あっという間にバブル崩壊となります。

日本ではかつて「総量規制」という政策を取り、不動産への融資をストップさせました。
すると見事に不動産バブルが崩壊し、同時に実体経済までガタガタになり「失われた15年」へとつながっていったわけです。
バブルはバブルなりにソフトランディングさせなければいけないのです。
「総量規制」は完全に誤った政策だったと、今ならハッキリ分かります。

ついでに言えば「ノンバンク」への政府の資本融資に、新進党などの当時の野党が大反対を唱え、国会での人的バリケードを築きましたが、今から見れば資本融資が正解であったことは間違いがありません。
サブプライム危機の時に、もしアメリカ政府がAIGを救済していなければ、世界経済はもっと深刻な事態に陥っていたでしょう。
逆にリーマンを救済していたら、その後の世界金融危機は起こらなかったかもしれません。

いずれにせよ、世界各国が大不況に陥っている状況で、ひとり中国経済だけがカヤの外で好調だったのですが、案外一番最後に具合が悪くなるだけの話だったのかもしれません。
中国の場合は、インフレと貿易赤字が進行中。
金融を引き締め、経済を減速させることが最優先課題となります。
そこにバブル崩壊が来るならば、ちょっと対策の立てようがありません。

中国経済をけん引してきたものは輸出と国内の不動産業。
欧米の不況により、その輸出に陰りが出だし、また今度は不動産バブルが崩壊しようとしています(もう既に崩壊しているという見方もあります)。
そうなるとかなりの中国企業が倒産していくはずです。
過剰流動性も問題ですが、過剰生産も大問題。
例えば中国では薄型テレビを3,700万台生産したのですが、そのうち1,000万台が不良在庫化しているのです。