今回の世界金融危機はサブプライム問題から発しているのですが、日本経済自体はそれ以前から少し調子を落としていました。
不動産のミニバブルも完全に崩壊したところで、世界的な金融危機が襲ってきたというわけです。
悪くなりかかったところに拍車がかかったとも言えます。
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ただ他の国と比べ、日本が一番キズが浅いことも事実で、円高とも相まって、日本企業が海外の企業を買収する動きも静かに起こっています。
ロシアやインドなどのBRICs国は、先進国とは別途に発展していくという説もあったのですが、今回の金融危機では先進国と同じように相当大きな影響を受けています。
もともとの経済基盤がそんなに強いわけではないので、先進国よりももっと回復が遅れるような気もします。
中国のバブルはオリンピックの前から崩壊の兆しが出ており、サブプライムが原因とは言い難いのですが、いずれにせよ余程うまく経済のかじ取りをしていかなければ、経済だけでなく、国の根本が揺さぶられる事態になりかねません(例えば大規模な暴動など)。
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日本の不動産業界では、前期は過去最高益、今期は資金繰りがつかず倒産などというケースも出てきています。
マンション・デベロッパーの7割が淘汰されるという説もあります(大袈裟でなく)。
売れ行き不振から完成在庫が増え、中には投げ売りにまわる会社も出てきそうです。
キャッシュを持っている投資家には、逆にチャンスともいえます。
ただし2割や3割のディスカウントでは、すぐに市場価格が追い付いてしまう可能性もあり、儲けるつもりが逆に損する場合だってあります。
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不動産市場のトンネルは長いと、覚悟を決めて経営に取り掛かる必要がありそうです。
会社全体の損益分岐点を下げて身軽にし、営業にせよ、技術にせよ、財務にせよ、今こそじっくりと実力を付けていくべきなのでしょう。