不動産の市況と動き

サブプライム問題から始まる今回の世界不況は、日本の前回バブル崩壊時と基本的には全く同じです。
アメリカでサブプライムが起こる前に、日本の不動産ミニバブルも実は弾けていました。
中国でも北京オリンピック前から、株や不動産の雲行きがおかしくなっておりました。
たぶんイギリスやスペイン(今回の金融危機で一番痛手を受けている)でも同じ状態だったのではないでしょうか。

今回の世界金融危機が起こる前、イギリスの雑誌『The Economist』(通称「ロンドン・エコノミスト」)が日本経済特集をやり、その時の題名が“Japain”。
Japanとpain(苦しみ)をひっつけた造語です。
景気絶好調の世界経済の中で、一人ぱっとしない日本経済を揶揄した内容だったのですが、今ではまるで”Bripain“ではないですか。
少しぐらい調子が良くても有頂天になってはいけないのは、会社も国も同じなのです。

不動産でも特に新築市場は厳しいのですが、20%〜25%のダウンをすれば割安感が生まれ、よく売れるようです。
最近は「アウトレット・マンション」なる言葉も生まれました。
完成在庫の処分が一巡するまでは、次への展開が生まれにくく、ここしばらくは我慢の時期が続くようにも思われます。
ただ個人の投資熱は極めて高く、やや過熱状態気味とも言われています。
例えば地方の資産家が東京の不動産を買うといった現象です。
地方のビルを買ってもテナントが入るかどうかの不安があるからです。

トヨタの力で持っていた名古屋経済も青息吐息。
名古屋の歓楽街は「閑楽街」になっているそうです。
この不況で200〜300のお店がなくなったとのこと。
銀座ですら毎月20店舗がなくなっているとのことです。

今年は価格戦略が最重要ポイントになるかもしれません。
即ち「割安感のある価格」。
クルマでも低価格車は好調です。
ニトリは値下げを4回も行い、結果、過去最高益とのこと。
餃子の王将も好調。
値下げをしても利益を得るビジネスモデルをこしらえる必要がありそうです。
介護産業は、万年人手不足で困っていたのに、今はフォローの風。
施設も安く借りたり買ったりできるので、事業拡大を検討するところも少なくないようです。