中国経済を見る その1

いま世界経済の中で一番好調そうに見える中国経済なのですが、いくつかリスクが見え隠れします。
まずは不動産バブルの崩壊。
公共投資や外貨準備高の多くが過剰流動性として、不動産市場に流れています。
都市圏のマンションの価格は年収の10倍に達しました。
完全にバブルです。

北京ではマンションを買う場合、最初は住宅ローンがつくのですが、2つ目は頭金が50%必要となり、3室目となるといくら自己資金であっても購入できないのだそうです。
そのようにして住宅バブルを押さえているわけですが、そこは中国なので、いくらでも抜け道はあるのかもしれません。
いま上海万博が開催されていますが、ちょうど大阪万博の日本経済と同じような発展段階に中国経済はさしかかっているのではないかと思います。

かつての日本も、今の中国も、5年以上年10%近い高度成長を成し遂げています。
仮にバブル崩壊があっても、一時的な景気調整期間であって、1990年代の日本のバブル崩壊のように15年も経済の縮みが続くというわけではないように思われます。
大阪万博は1970年でしたが、その景気は1973年でピークを迎え、外的な要因ですが1974年にはオイルショックが起こって、いったん経済が落ち込みます。

仮に中国経済バブル崩壊を起こすとしても「失われた15年」ほど深刻ではなく、また復帰する可能性が大です。
日本経済より40年遅れて、中国経済は同じような動きをしているとみて、間違いがないようです。
アメリカを見ていれば、数年のちの日本経済が予測できたと言いますが、中国経済も日本経済のたどってきた動きを頭に入れておけば、案外予測は簡単かもしれません。