世界経済の動き

2008年9月のリーマンショック以降、1929年のような大恐慌になるのではないかとの強い懸念がありました。
が、金融を中心としたパニックは収まりつつあるように見えます。
ただし実体経済の方は、各国ともまだまだのようです。

今回の世界金融危機は3つの要因からなっていて、一つは不動産のバブル崩壊
サブプライムローン問題だって、結局は不動産価格の急激な下落が引き金となっています。
あのまま不動産価格が上がり続けていたなら、何の問題もなく世界経済は好調に推移していたに違いありません。

二つ目の要因は、アメリカの需要の大幅減退による、各国の輸出不振。
中国や日本などの輸出産業は、かなりの打撃を受けました。
三つ目は外資の逃避による資金不足。
東欧などはその典型とも言えます。
逆に日本や中国などは、その要因はほとんど無関係で、影響を受けていません。
これら3つの要因が、世界的な規模で、一挙に押し寄せてきたわけです。

今回の世界経済危機も、前回日本のバブル崩壊と基本的には全く同じ現象です。
従って前回バブルで散々苦労した私のような経営者は、今後の動きの筋道がよく見え、そう取り乱すこともありません。
ただしマクロの動きが分かっているのと、ミクロの会社経営が上手くいくのとは、全く別問題で「わが社の収益をどう改善していくか」に、当分悪戦苦闘していかなければならない覚悟はしております。

前回バブル崩壊後、日本は2つの大きな政策ミスを犯しました。
一つは日銀による高金利政策。
もう一つは大蔵省の総量規制。
今回は各国の政府はこれらをよく研究していたようで、全く逆の政策で経済回復を狙っています。
つまり低金利政策と、政府による有効需要の創出です。

だからおカネは市場に割合と回っているのです。
企業業績も持ち直している感があります。
でも失業率は各国とも結構高いのです。
アメリカでも10%を超えてきました。
中国でも大学の新卒が就職できずに大きな社会問題となろうとしています。
職を解雇された民工がどういう動きをするかも社会的リスクとしてあります(例えば暴動)。
いま企業は人を減らし、徹底的な合理化も行い、そして業績を回復させつつあると言えそうです。