前回バブル崩壊と今回の違い

日本の不動産ミニバブルも完全に崩壊しましたが、これはサブプライム問題とは関係なく、それ以前から崩壊の兆しが出ておりました。
ただしサブプライム以降、外資が資本を引き上げざるを得なくなるなど、より大きな影響を与えたことは否めません。
不動産価格の大幅下落に始まる信用収縮や景気の減退は、日本は既に経験済みです。
前回バブル崩壊により、36歳、37歳、38歳はわが人生最悪の時期でしたが、今回の世界金融危機を迎える私は来年の2月で56歳になります。
あれからもう20年…。

猛烈な円高が進んでいますが、これだって1ドル79円を経験済み。
もっと言えば戦前は1ドル2円だったので、そこまで円が上がっても腰を抜かすことがないようにしたいものです。
円が上がるということは、基本的には国民の富が増えることにつながっているのは間違いがありません。
原油だって安く買えます。
輸出にとってはマイナスとの意見もありますが、日本の輸出依存度は対GDPでわずか15%。
円高が進んでも日本経済がひっくり返るほどのダメージはないのです。
ちなみに輸入依存度は13%。
日本の食料自給率は4割なので、あとの6割はこの13%の中に入っているのでしょう。

前回日本のバブル崩壊は、日本国内だけの問題でした。
また不良資産がハッキリしていました。
売れぬ不動産を抱えた会社がいくつも倒産し、銀行まで倒産するという大きな犠牲を払いながら、不良資産の処分を徹底させることによって、ようやく日本経済は復活しました。
全治3年どころではなく、全治15年でありました。

今回のサブプライム危機はアメリカだけの問題ではなく、世界に波及しています。
しかも損失がいくらなのかがよく分からないのです。
CDSという簿外債務保証のようなものがつけられており、損失の全体像が全く不明なのです。
アメリカの投資銀行がやりたい放題やってきたツケが一挙に出てきました。

もう一つ前回日本のバブル崩壊と、今回の世界金融危機の違いがあります。
日本は対外的に借金をしていない世界最大の債権国だったので、金利を下げることによって、外国の資金が日本から逃げる心配をしなくてよかったのです。
ところが今、外国のおカネが国外へ出ていくことによって、通貨の下落に歯止めがかからない国が続出しています。
アメリカだってそうですし、ヨーロッパの国々も同じです。
日本の株価も大きく下落しているのですが、ドル換算でみるなら、さほど下がっていないのです。

今から思えば、サブプライム・ローンなど詐欺のような商品だし、アメリカの投資銀行などバクチ打ちが相場を張っているのと何ら変わりません。
摩天楼の豪華オフィスや、普通の人とは2桁ぐらい違っている年収もカッコよかったけれど、やっぱりどこかおかしかったのです。