世界経済の動き

イギリスの国際金融センターとも言うべきシティが、イギリス経済を牽引してきました。
しかし今回の金融危機でそれもストップ。
イギリスは16年ぶりにマイナス成長を記録しました。
イギリスの住宅バブルはアメリカをも凌駕する勢いだったのですが、それもダウン。
少なくともここ3年ほどは、イギリス経済が相当混乱することが予想されます。
まさに「山高ければ谷深し」です。

今回の世界金融危機は、昨年2007年の夏、フランスのパリバ銀行傘下のファンド凍結から始まっています。
むろん原因はサブプライム関連の損失。
日本の株価もこの1年で3分の1になりそうな気配です。
しかしながら日本経済は、他国と比べ、まだ余裕があります。
株価の下落も、外資が資金調達のため、日本株を売らざるを得なくなったからだと思います。
日本企業の基本的な足腰は弱っていないと考えられます。
いずれ近いうちに、世界のおカネは避難先を求めて日本に戻ってくるに違いあいません。
円高はまさにその兆候。

アメリカの住宅バブルが、いつどうして起こったかは、いくら新聞を読んでみても分かりません。
株だとハッキリとバブル崩壊の日まで分かるのですが、その点、不動産バブルの崩壊は分かりにくいのです。
私などアメリカの住宅バブルの崩壊を予言し続けて10年。
10年も言い続けていては、予言が当たったなどと自慢も出来ません。
しかしながらグリーンスパンだって、2004年ぐらいからバブルを警告していたと言いますから、私とそんなに変わらない気もします。

前回日本の不動産バブルの崩壊では、それまでは市場に物件(すなわち商品)が出なくて困っていたのに、ある日「天」が命令したがごとく、あっという間に市場に物件があふれ出しました。
まるで津波のようであったことを今でも覚えています。
前回バブル失敗の反省は、まわりに影響を受けて右往左往しないこと。
必ず自分の頭で考えることです。

世界中から集まった優秀な社員が、最先端の金融工学を駆使して摩天楼のオフィスで作り上げた金融商品は、結局インチキでした。
(でないと、返済を考慮に入れていないサブプライム・ローンなんて考えつきません)。
結局自分たちの年収をつり上げるためだけの金融商品だったわけです。
「なあんだ、優秀そうに見えた連中も案外大したことがないじゃないか」というのが正直な感想です。
ヨーロッパの銀行なども、もっと堅実なのかと思っていたら、何のことはない、アメリカの高利回りの金融商品を買っていただけじゃないですか。
世界はもう一度きちんとした製品やサービスを求める時代に戻ると思います。
そうなるとやはり日本が一番有利になるように思うのです。

日本も株価が猛烈に下がっていますが、円は逆に猛烈に上がっています。
従って日本経済が受ける影響はイーブン。
その証拠に株価をドル換算してみると、実は下がっていないのです。
例えばお隣の韓国は、株価もウォンも大暴落。
前回のアジア通貨危機以来の国難に違いありません。
もっとよく知りたいと思っても、日本の新聞には韓国経済の話まであまり載っていないのです。
そこで韓国の英字新聞のインターネット版を探し、デスクトップにそのファイルを置くことにしました。
これでいつでも情報を得ることができます。

英字新聞の英語は、そんなに難しくはありません。
英語さえ読めれば世界の情報が取れることに気が付き、「韓国The Korea Herald」のほかに「英BBC」・「米FINANCIAL TIMES」・「独SPIEGEL」もデスクトップに乗せました。
SPIEGELだけはドイツ語ですが、ほかは全て英語。
いよいよ「語学を勉強する」時期から「語学で勉強する」時期へと入ってきたかと思うと、うれしくなりました。