世界経済の状況 その4

今回のサブプライム問題から始まった世界経済危機の影響は、ヨーロッパが一番大きいように思います。
不動産バブルの崩壊で不動産の不良債権が大量発生。
またサブプライム債権などに投資していたため、金融債権でも不良債権が発生。
以前の日本のバブル崩壊の時は、不動産の不良債権だけで、海外への金融投資では不良債権は出ませんでした。
統一通貨ユーロが持ちこたえられるのかどうかに株式市場が不安がっているのです。

世界経済は、アメリカ、ヨーロッパ、そして東アジアの3局で成り立っているとみて間違いがありません。
かつてはアメリカやヨーロッパへの駐在は憧れで、会社の中でもエリートが選ばれることが多かったように思います。
商社マンにとっては「花のニューヨーク」でありました。

が、最近はアジア、それも中国が多くなりました。
10年ほど前に中国へ行った時、何人かの日本企業からの駐在員の人たちと会ったことがあります。
その時に感じたことは、中国で働いている日本企業のビジネスマンには2種類あり、若手のやり手の社員か、「やや飛ばされた感のある」中年社員のどちらかだということでした。
これからは「エリートはアジアへ」という図式が出来てくるかもしれません。

2008年8月、ロシアとグルジアの間で武力衝突が起きました。
グルジア侵攻を見て、ロシアから外資が逃げ出しました。
専制的な体質の国は、やはりカントリーリスクが高く、安心して投資できないようです。
ロシアの産業で世界に通用するものはあまり多くありませんが、資源国としては超一流。
石油価格が上昇を続けていた頃、ロシアは飛ぶ鳥を落とす勢いでした。
が、今はパワーがだいぶ陰(かげ)っているようです。

肝心のアメリカですが、経済が良くなっているのか悪くなっているのかの実態がよくわかりません。
アメリカ国民の借金によるバブル消費が、世界経済を引っ張ってきたわけですが、それがなくなった今、今後世界経済がどういう動きになっていくのか、もう少し時間をかけて見極めたいと思っています。