世界経済の状況 その3

今回の世界経済危機で一人勝ちの様相を呈している中国経済にも弱点があります。
民工とよばれる地方からの出稼ぎ労働者が大量失業しています。
アメリカへの輸出品を製造していた工場の多くが閉鎖になったからです。
また大学を出た新卒の就職率も芳しくありません。
5人に一人が就職先がないとのことです。
こういった人たちが反政府に回ると、大きな社会問題にとどまらず、暴動にまで発展する可能性があるというのが、他の先進国にはない中国のリスクです。

またGDPを始め、中国の統計があまり信頼できず、経済の実態がよくわからないところがあるのも困ったものです。
知的所有権を無視している国が世界の経済大国になってもらっては、ちょっと具合が悪いような気もします。
中国の交通マナーは大変悪く、自動車の生産・販売というハードばかりが先行し、交通安全というソフトはお粗末で、バランスがとれておりません。

少し話がずれてしまうのですが、上海の横断歩道を一人で渡るのは、本当に怖いのです。
私の友人は上海に3日間の滞在中、2回ほど車にひかれそうになったと語っていました。
日本や欧米の先進国なら、車は歩行者に配慮しますが、中国では車は一方的に自己中心です。
ラクションを鳴らし続けると、日本なら人格を疑われますが、中国だと1台の車がクラクションを鳴らすと、そこら中の車が一緒になって喚(わめ)きます。
「赤信号みんなで渡ればこわくない」が日本なら、「青信号とても一人で渡れない」が中国です。

中国の不況対策の資金が実体経済に流れずに、不動産投資の方に流れているように思えます。
まさに不動産バブル。
中国の平均所得は日本の5分の1ほどなのに、マンション価格を見てみると、ほとんど関西と変わらないような気がします。
以前、有名な一流中華料理店の上海のお店で食事をしたことがあるのですが、東京の同じ名前の店よりも不味く、しかも東京よりも値段が高かったのです。
「そのギャップ分がバブルなのだ」と変に納得した記憶があります。