世界経済の状況 その2

ギリシャ問題だけでも大変なのに、EUにはまだポルトガル、スペイン、アイルランド、イタリア問題が控えています。
「ほんまに大丈夫かいな?」と心配するのは私だけでない証拠に、ユーロの為替と株価が大幅に下がっているという次第です。
EUは好況の時は、市場の拡大や労働力の確保などで上手く機能するのですが、いったん逆回転に陥ると、その弱点が露(あら)わになります。

例えばアジアにEUならぬAU(アジア連合)が出来たとして、そこにラオスミャンマーが加わったとしたら、その負担は日本にかかってくるのは目に見えています。
そういった意味で、EUを維持していくためには、ドイツがかなり犠牲になっているようにも思います。
経済の格差や国民の民度が違い過ぎると、やはり経済統一にはかなり無理があるのかもしれません。

日本経済が「失われた10年(15年かも)」で呻吟している時、ヨーロッパは好景気が続いていました。
イギリスやスペインには住宅バブルが起こり、ユーロも160円台で推移していました。
その頃ヨーロッパ旅行をすると、物価の高さに驚いたものです。
それがサブプライムショックで一挙にバブル崩壊
1990年代の日本のバブル崩壊と全く同じ現象がヨーロッパに起こっているわけです。

そういった意味では日本は「バブル崩壊の先進国」。
前回のバブル崩壊後の動きを知っているので、経済の復帰までにどれぐらいの時間がかかり、どのような流れになっていくのかが、大体見当できるというものです。
皮肉でも何でもなく、これは欧米にはない日本の強みであると思うのです。