中国経済危機は、欧州金融危機につながっている。

尖閣諸島の件で、一時期日本と中国の関係が険悪になったことがあります(今も何も解決していませんが)。
その時にドイツを始めヨーロッパ諸国が経済面で中国に急接近しました。
日本がいない間に中国市場を取り込もうという魂胆です(「鬼のいぬ間に洗濯」という"ことわざ"があります)。

その時に中国に色々と商品を売り込むことに成功しているのですが、同時に欧州勢はその見返りに金融面で中国に投資をしました。
そのカネは主に中国の不動産投資への貸し付けに回ったようです。

が、中国経済が崩壊する今となっては、それが大きな負担になってきました。
不動産を中心とした不良債権が出始めたのです(それも膨大な額であることは間違いがありません)。

日本の90年バブル崩壊の時の構図とそっくりなのです
ヨーロッパのいくつかの銀行にとっては、経営の大ピンチでもあり、ひょっとするといくつかの銀行が実際に倒産するかもしれません。

日本でも北海道拓殖銀行長期信用銀行がなくなり、都市銀行の再編が起こったように、遠からぬ将来に欧州の銀行の滅失および統合が行われるはずです。
ドイツやフランスの銀行が持つ、中国の不動産への不良債権は相当ひどいように思われます。

日本の銀行は大丈夫かと問われれば、これが全く大丈夫なのであります。
90年バブル崩壊で、日本の銀行はそれまでの100年間で蓄えてきた蓄積を全部吐き出しました。

またその後の「失われた20年」の間に、徹底的に不良債権の処理を行いました。
中国との関係が険悪だったおかげで、日本の銀行が中国の企業に貸付けを行っているということもありません。

日本は長期資金が余っており、それが証拠に国債金利も世界で最も低くなっています。
いいのかどうかは今の時点では分からないのですが、マイナス金利も導入されました。

世界の一流企業が資金を借りるとしたら、日本のメガバンクから借りるのが一番簡単なのです。
日本のメガバンクから言えば、有利な融資先が向こうから頼みに来てくれ、こんな有難いことはありません。
だから長期の目で見るならば、日本のメガバンクの株は「買い」だと思うのです。