来年の景気と世界の動き

不動産業の来年は、かなり厳しいと覚悟しておいた方がいいかもしれません。
ここしばらくはファンドの勢い、大手企業の業績のよさ、個人の投資意欲、金融の緩和などの要因が絡み合い、不動産業界は相当好調だったように見受けられます。
他人事のように言うのは、他人事だったからです。

つまり同じ不動産業でも、都心部の不動産を扱っている会社は「わが世の春」で、地方へ行くほど「冬のまま」であったわけです。
私の実感では、関西でもこの3年ほどは景気がよくなってきた感じがしますが、その前の5年ほどは非常に悪かったように思います。

石油価格は上昇を重ね、1バレル100ドルという高水準が見えてきています。
増田俊男さんなどは150ドルまで行くとの予想。
石油価格が上がって、日本に有利になるはずがありません。
石油上昇の要因は、中国などの需要圧力というより、むしろ世界的なカネ余り現象が、石油投機に向かっているからだと思います。

石油が上がって恩恵を受けるのは、当然産油国
アラブ産油国は石油資金を、国の発展のために上手く使っているようには見えませんが、ロシアは石油の力によって、再び世界の大国を目指しています。
国の好機にプーチンというカリスマ・リーダーが登場し、さて今後どういう動きをしていくのか?
ソ連邦が崩壊したあとの、あの惨めな状態とは打って変わった、自信を持った姿となってきました。

かつてスペインは植民地からの莫大な富を、言ってみれば「飲み食い」に全部使ってしまいました。
今でもスペイン人やポルトガル人の遊びっぷりは大したものです。
夜遊ぶために昼寝する(シエスタ)。
500年間国力が下がり続けるのは、どんな気分なのでしょうか。
が一方、イギリスは同じように植民地を持っていても、その富を産業革命のエネルギーに変えました。
石油価格の高騰での、アラブとロシアの対応の違いは、そんな歴史を思い出させてくれます。

アメリカ大統領選挙で、民主党、特にヒラリー・クリントンが当選すると、アメリカは親中国へと動き始めるはずです。
これは日本の国益に大いに反することです。
アメリカと中国が親しくなれば、日本も付いて来ざるを得ないから放っておけばいい」くらいの扱いをされかねません。
共和党が勝利すると、アメリカと日本がパートナーとなり、中国や朝鮮半島の勝手な動きを阻止する力となります。
今までアメリカの大統領が共和党民主党かによって、どのような対日政策や対中政策が取られてきたかを、一度調べてみたいと思います。

日本はアングロサクソンと組んでいる間は、国力の充実と国の安定を図れるが、離れると破綻へと向かっていくという経験則があります。
1902年の日英同盟によって日本は大いに躍進しました。
1922年に破棄されてからというもの、日本は破滅への道をまっしぐら。
ただしイギリスも日本を失ってからガタガタになりました。
アメリカにそっぽを向かれたら、日本は経済や軍事が危機に陥りますが、アメリカも日本を失うのはあまりにも犠牲が大きすぎるということが分かっているのかどうか…?

もしアメリカが日本を無視し、中国に接近するようなことがあれば、日本はこの際EUに加盟してもいいじゃありませんか。
私も世界の色んなところに出かけますが、やっぱり民度は欧州が一番高いように思います。
特にドイツなどは国民性もキチッとしているし、日本人と相性がいいように思います。
10年後、世界はどう変わっているのか?
ぼうっとしないで注意深く、今後の動きを追って行きたいと考えています。