国の嫉妬

日本の90年バブル崩壊によって、日本は「失われた20年」を過ごしました。
私も会社経営者の一人として苦しい毎日だったことを覚えています。
しかしこれによって日本はアメリカの嫉妬を回避したという見方もあります。
国が国を嫉妬するなんてことがあるのかということですが、歴史を振り返れば数々あるのです。

例えばカルタゴはローマの嫉妬を買い、3度の戦争の末、遂に国が亡びることになりました。
また18世紀にはオランダがイギリスの嫉妬を買い、4度の戦争を行い、これによりオランダの国力が大いに減退しました。
国の嫉妬は怖いのです。

日露戦争日本海海戦で、日本の連合艦隊はロシアのバルチック艦隊を完膚なきまでに打ちのめしました。
世界史の海戦でもほとんど見ることが出来ないぐらいのパーフェクトな勝利でした。
ところがこれがアメリカの疑惑や嫉妬を生み出す遠因にもなりました。
力をつけ膨張する日本を脅威ととらえだしたのです。

アメリカの鉄道王のハリマンとの満州鉄道の共同経営をいったんO.K.しながら、小村寿太郎の強い反対で破棄したことも、アメリカの反発を招きました。
太平洋戦争が起こる前、日本はアメリカから石油や鉄鉱石の7割を輸入していたのです。
アメリカから見ても日本は上得意様です。
戦争しなければならない理由は乏しいはずなのですが、結果として4年もの歳月をかけて戦うことになりました。

ペリーの来航以来、実は日本人の親米度はかなり高かったのです。
それがカリフォルニア州の移民禁止法によって「嫌米意識」が一挙に強まりました。
そんな折、アメリカと日本を戦争へと導かせようとする勢力がありました。
ソ連です。

日米開戦の直接の原因となった「ハルノート」を書いたのは、ソ連コミンテルンのスパイであったホワイトという人物でした。
日本だって近衛文麿首相のブレーンだった尾崎秀実(ほつみ)は実はソ連のスパイでした。

戦後どうして英米を敵に回して戦わなければならなかったかを考え続けた人がいて、やがて1本の筋が見えてきたそうです。
その1本の筋とはコミンテルンの画策。
戦争になるようになるようにと、各所(各時点)でスパイによる工作をしていたのです。