ロシアがソビエト連邦だった頃、世界各国に工作員(スパイ)を張り巡らせていました。
近衛文麿首相のまわりにもソ連のスパイが取り憑いていて、朝日新聞記者の尾崎秀実(ほつみ)もその一人でした。
当然誤った方向に国を導くことになり、事実そうなってしまいました。
アメリカの政権の中にも数百人単位のソ連スパイが紛れ込んでいて、日米交渉の最後通牒とも言える「ハルノート」を起案したのも、ホワイトという(ハルの秘書をしていた)ソ連工作員でした。
ゾルゲというのはソ連共産党員だったのですが、ナチスに入党し、ドイツの新聞記者として日本にやってきました。
尾崎秀実と連携し、御前会議での極めて重要な情報をソ連に流したという事実があります。
「日本は南進し、シベリア方面には出ていかない」というのがそれで、これによりソ連は兵力をヨーロッパ方面に集中させることができました。
工作員にも色々種類があって、世論をロシア寄りにする仕事をしている人もいます。
今でもロシアの立場ばかりを主張する日本人の評論家や政治家がおり、ロシアの工作員のような気がしています。
かつてシベリアに抑留された帝国陸軍将校で、その後、総合商社の副会長にまで出世した人がいるのですが、この人もスリーパー(普段は何もしないが、何かあったときにソ連の工作員として活動する者)だったと、日本の公安を担当した人が本に書いていました。