ベトナムで考えたこと その2

ベトナム戦争におけるベトナム兵の戦士者数が100万人。
南北のベトナム人同士での戦いもあったので、すべてが対米軍との戦争で亡くなったわけではありませんが、それにしても相当の人数が命を失っています。
それに対してアメリカ軍の戦死者は5万8千人。

数だけから見れば、アメリカの圧倒的勝利なのですが、現実は完敗で、1人残らずベトナムから逃げ出したわけです。
アメリカは目の前の敵だけではなく、常に世論とも戦わなくてはならず、ある意味、二面作戦を強いられたとも言えます。
歴史上でも、二面作戦で勝利を得た国は極めて少ないのではないでしょうか。

元大統領官邸に2台の北ベトナム戦車が突入した時点で、ベトナム戦争終結したのですが、時の大統領は降参して捕まりました。
副大統領はヘリコプターで逃げ出したとのこと。
この辺は微妙なところですね。
もし私が大統領なら、職務上やはり最後まで残っていたかもしれません。
副大統領なら逃げ出していたかも…。

ベトナム戦争時、ホーチミンNHKの支局がありました。
そこに有能なベトナム人男性が雇われていて、依頼したことはほとんど手配してくれたそうです。
後日、その男性が北ベトナムのスパイであったことが分かり、雇っていたNHKの人はビックリ。

もっと驚いたことに、当時賄い(まかない)のオバさんも雇っていたのですが、そのオバさんも同じくスパイで、しかもその男性の上司だったのだそうです。
たぶん同じように大統領官邸にも工作員がいっぱい潜入していたに違いありません。
南ベトナムアメリカが戦争に勝てなかったはずです。

ベトナムは長い経済的スランプが続いていたのですが、今は大いなる経済的発展の途上にいます。
いつかは社会主義をやめる時が訪れるに違いありません。
1989年のベルリンの壁崩壊の時は、その歴史的意味の重要性に気がつかず、私はボウッとしておりました。
ベトナム社会主義を放棄する場面は、刮目(かつもく)して見ようと思っています。