いろいろな国内矛盾を抱えた中国が突っ走って来られたのは、ひとえに経済成長があったからだと思います。
だが経済成長が止まった今、中国政府は国内統制を厳しくする方向に舵を取りだしました。
中国共産党の方針の大きな流れとして「毛沢東路線」と「鄧小平路線」とがあります。
前者は統制派、後者は経済優先派とも言えます。
習近平指導部は毛沢東路線を取り、経済や思想や社会を締め付ける動きを急激に取り出しました。
IT企業の上場を阻(はば)み、何千億円という資産の創造をなくしてしまいました。
大型上場は中国経済にとって、そのまま富の蓄積となったはずです。
若い起業家たちの「やる気」を削ぎ、多分これが今後、中国経済へボディ・ブローのように効いてくるはずです。
教育産業を潰すという愚行も行っています。
芸能界への締め付けも酷くなり、たとえば人気KポップのBTSのファンクラブのアカウントを停止したり、中国の人気女優に莫大な税金をかけたりもしています。
小中高で「習近平思想」が授業に取り入れられることになりました。
言論統制もますます厳しくなりそうで、まるで文化大革命の再来のような様相を帯びてきました。
文化大革命は毛沢東による権力闘争で、10年間も続き、中国の社会や経済や道徳をガタガタにしました。
以前は中国国内だけの大嵐でしたが、今回は軍事強国としての存在感も周辺諸国に見せつけようとしています。
いずれにせよ、かなり危険な状態に陥(おちい)っているのは間違いがありません。