近隣で食事のお店やレストランが開店しても、2年ぐらいしたら廃業しているというケースをよく見かけます。
それだけ経営が難しい業種なのかもしれません。
ただし参入は比較的簡単で、だからこそ閉店率が高いのかもしれません。
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日本で最初にできたイタリアレストランが宝塚市内にあります。
経営者の人もよく知っているのですが、ここなど創業50年を遥(はる)かに超えています。
途中さまざまなことが起こったに違いありませんが、50年間一つのお店を続けるというのは、実に立派なことだと思います。
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ステーキ店を多店舗化した創業者の本を読みました。
この人は一流ホテルで修行し、独立後は街のステーキ屋さんとしてお店を出し、次第に店舗を増やし、今は立食でお値打ち価格のステーキを提供し「行列のできるステーキ屋さん」として有名です。
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この人の場合もトントン拍子で成功しているのではなく、ジェットコースターのように成功と失敗を繰り返しています。
独立した時のレストランが大いに繁盛し、2号店、3号店とお店を増やしていくのはいいのですが、4号店で資金繰りが行き詰まり、倒産の危機に。
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そうかと思えば、フランチャイズ加盟店の従業員の不祥事による新聞沙汰や、思いもよらぬ狂牛病騒動に巻き込まれたりもしました。
あるいは従業員による「反乱」も経験しています。
当然ながらその都度、経営危機に直面しています。
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本を読んでいて、そんなにしてまで会社を大きくしなければいけないものだろうかと思いました。
この人の場合、最初の1号店だけにとどめ、そこにエネルギーを集中していれば、悠々とした優秀店になっていたはずです。
もともと一流ホテルのシェフなので、ひょっとしたらミシュランの星ぐらいは取っていたかもしれません。
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従業員が増えるにつれ、会社の目指すところと、従業員の「夢」や「やりがい」とが段々とずれてきました。
そこで店長を1人でも増やして「やりがい」を持ってもらうために多店舗化を急ぎました。
そうすると、いろんな面で実力が伴わないのに新しい店を出すことになり、赤字店が増える結果となります。
それでお店も従業員もお客さんも満足なのでしょうか?
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私が一番お気に入りのお店は、カウンターしかない和食店で、10人しか座れません。
運営するのは大将と女将さんだけで、ミシュラン2つ星を獲得しています。
すべて予約なので食材のロスがありません。
提供する食事も懐石の1コースのみ。
人の問題もなく、カネの問題もなく、客層もよく、考えられる限り最高のお店ではないかと思うのです。
おいしい料理といい雰囲気が、いつも心とお腹を満たしてくれます。