「1日1捨て」を実行していたら、自分のまわりには捨てるモノがなくなってしまいました。
つまり残っているのはすべて「お気に入り」のモノばかりになったということでもあります。
見ただけで、あるいは手にしただけでモチベーションが上がるものばかりが残りました。
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会社の方も書類や備品を捨てまくっていたら、随分とゆとりのある空間が出現してきました。
机やキャビネットやロッカーまで処分したので、以前と比べると何も置いていない床のスペースが増えたのです。
モノを置いていないスペースが広いほど、贅沢(ぜいたく)な空間になるのは間違いがありません。
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スタッフも少数精鋭となり「お気に入り」ばかりです。
やる気のある人たちに囲まれると、こちらのモチベーションまで上がります。
「採用の失敗は教育では補えない」のですが、その時はトップが勇気を出して何とかしなければなりません(奥歯に物が挟まった言い方しかできません)。
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会社ではタバコを吸う人は誰もいないし、常に整理整頓されているし、トップである私はガミガミ言わないし、こんなに働く環境がいい職場も珍しいと思います。
マンガの島耕作シリーズを読んでいたら、例え大企業でもイヤな人間(例えばゴマすりや不正)が少なくないということを知り、伊那食品工業のような会社になりたいものだとつくづく思います。
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伊那食品工業の社是は「いい会社をつくりましょう」で、働いている人たちの人間性も相当高いと思われます。
「年輪経営」を唱え、樹木が年輪を刻んでいくように、ゆっくりと着実に成長することを目指しています。
しかし、これも製造する寒天のシェアが国内の80%(世界的には15%)を占めるといった「超優良会社」だから「いい会社」が成り立っているのだと思います。
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社員数が多かったり、損益分岐点が高かったりすると、どうしても経営的に無理をせざるを得ません。
市況というのは良くなったり悪くなったりするものです。
極端に悪くなった時(例えばバブル崩壊時)に何もせずジッと我慢が出来るかどうかは、会社存続のためにはかなり重要なことではないかと思うのです。
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悪いときに焦って打った手が余計に経営の死を引っ張るといった例は、自社や他社に関わらず沢山見てきました。
そんな時に財務内容が良く、損益分岐点が低ければ「冬眠」が可能です。
株だって「買う・売る・休む」と言います。
「休む」が出来ない会社は苦しいのです。