会社にとって「いいようで一番いけない」のが急成長することではないかと思います。
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内部の実力をたっぷり蓄えながら大きくなっていくのは好ましいのですが、単に膨張しているだけの場合も少なくありません。
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「年輪経営」という言葉があるのですが、年輪を重ねていくようにユックリと確実に、根をシッカリと生やした大木に育っていくのが理想です。
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私は不動産業しか経験がありませんが、インバウンドの好調さに合わせて、民泊やホテルへの投資を調子に乗って増やしていたら、今頃はかなりヤバかったのではないかと思います。
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インバウンドとは直接に関係のない貸ビル業だって、コロナという予想もしなかった伏兵が現れました。
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テレワークがどこまで普及するかは未知数ですが、貸しビル業にとっては難敵であることは間違いがありません。
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同じ不動産業でも人手が必要な事業と、そうでない事業とがあります。
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仲介業や管理業などはまさに「人」こそが重要で、労働集約型の業態です。
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一方、分譲業や賃貸(オーナー)業などには人手はあまりいりません。
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仮に社員が私1人であっても、土地や戸建てやマンションの分譲業ができてしまうかもしれません。
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要は情報収集力と資金調達力さえあればO.K.で(むろんノウハウは不可欠ですが)、あとはすべてアウトソーシングできてしまえるからです。
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人が増えると毎月の固定費が増え、損益分岐点が高くなります。
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売上が2割下がると、たいていの会社は赤字になるのではないでしょうか。
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また借入れが多いと「まさか」が来た時に途端に苦しくなります。
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私は「会社は大きくしなければいけない」の思い込みを捨てたところから、経営が急に楽になりました。
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お金を貯めて収益物件を1つ1つ増やしていく今の方法が、一番性(しょう)に合っているように思います。