個人投資家への道

個人投資家という職業が日本にも根づきはじめました。
30年前に「個人投資家」と名乗れば、かなり胡散(うさん)臭い目で見られたに違いありません。
商売や事業やビジネスには、必ず顧客という存在がいて、顧客への奉仕によって収入が得られるわけです。
ところが「個人投資家」には奉仕すべき顧客がいないのです。

少し前に「なりたい自分に相応(ふさわ)しい服装を着る」というコンセプトのスタイリストを本で知り、随分と刺激を受けました(その後、その著者(女性)とはフェイスブックでお友達になっていただきました)。
自分のなりたい姿とはいったい何だろうと考えた結果出てきたのが「富裕層の個人投資家」でありました。
それ以降「富裕層の個人投資家」に見える服装をしています。

私の高校の同窓生で、40年ほど前に邱永漢の本を読んで個人投資家への道を歩み出した人がいるのですが、今では香港に居を構え、グローバルに投資を行っています。
上司なく、部下なく、顧客なく、経済的な束縛もなく、自由で裕福な生活をしているようです(ただし、家庭的に恵まれているとは限りません)。

還暦を過ぎれば、世間体的には様々なことが許されるので言うのですが、この際「個人投資家」の道に徹してみても面白いのではないかと感じるのです。
ただし完全に一人ぼっちの個人投資家だと寂しいので、会社は維持し、今の業務は信頼できるスタッフに任せていきたいと思っています。

投資は勉強しないと絶対に成功しないことが分かりました。
株だってちゃんと勉強して、しかるべくルールや法則に則ってやっていけば、少なくとも損はしないようなのです。
それを何も勉強しないまま、株の世界に入り込んでいくから失敗するのです。
私も株を始めた頃は損ばかりしていましたが、勉強するにつれ多少なりとも利益が出るようになってきました。

不動産投資だって、徹底的に勉強しないといけないのです。
プロでも失敗するのは、勉強しないからです。
不動産投資なんて「石橋をたたいて渡るか渡らないか」くらいでちょうどいいのです。
私は一応不動産のプロですが、この業界に入って40年経って、ようやく自分の投資パターンが確立しました。

株は最初に何の銘柄を選ぶかが極めて大事です。
上場会社は4,000社ほどあるようですが『会社四季報』を必死にめくって、投資しようと思った銘柄が2つありました。
不動産で上がるキャッシュフローで、毎月一定の金額分を買い増していこうと思っています。
これを10年間続けたら、ちょっとしたものになっているのではないかと期待しています。