ロンドンへの旅 その7

イングランド銀行で紙幣の交換をしてもらったのですが、実は全部の旧紙幣を交換してもらったのではありませんでした。
事前にホテルでの問い合わせしてもらった時に、1,000ポンドまでとそれ以上とでは手続きの「ややこしさ」が随分と違うようだということが分かりました。
そこで950ポンドだけを交換したのです。
あとまだ800ポンドほどの旧紙幣が手元に残っています。

ホテルに帰って世話になったコンシェルジェにそのことを報告すると「自分は明日休みなので、自分が行ってきてあとの分を交換してきてあげる」との実に親切な申し出をしてくれました。
私は感動しました。

しかしさすがにちょっと好意に甘え過ぎなので、お断りしようかと思ったのですが、たまたま昨晩読んだ本の中に「人の好意には大いに甘えるべきだ」とのことが書いてあったので、お願いすることにしました。
この親切なコンシェルジェはフォーシズンズホテル・ロンドン(in Park Lane)のGiego(ディエゴ)という男性です。

こういうトコトン顧客のために奉仕しようというスピリットには感動すると同時に、大いに勉強になりました。
私は今まで頑張るほうにかけては、そう人後に落ちなかったのですが、人に親切にするという精神には物足らないものがあると自分で感じていました。

「上求菩提・下化衆生(じょうくぼだい・げけしゅじょう)」という言葉がありますが、今までは「上求菩提」ばかりで自分を向上させることばかりに関心が行き、他者を助けるという「下化衆生」へのエネルギーはほんのチョッピリしか配分してこなかったように思います。
これからの人生は「頑張るよりも、人に親切にしよう!」と、自分が親切にされて悟ったという次第です。

ということで、観光の予定が大幅にずれ、あとは書店へ行くことにしました。
昨日ホテルのコンシェルジェに大型書店の場所を聞いた折、「ヨーロッパ一の大きな本屋」と聞いていたのですが、実際に行くとこれより大きな書店をドイツでいくつも見ています。
ましてや日本の大型書店と比べると、像と「カバ」くらいの違いがありました。
少なくとも大型書店に関しては、日本は世界の最先端国ではないかと思います。