先日聴いた渡部昇一先生の「運と勉強」というテーマのCDは圧巻でした。
渡部昇一先生の本は今までほとんどすべて(多分500冊くらい)読んできたのですが、講演を聴くと改めて感ずるところがありました。
このCDは一言(ひとこと)で言うと「運をつかむ力」がその内容。
いわゆるセレンディピティ(serendipity)のお話です。
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渡部昇一先生は上智大学に入学したものの、父親が失業し、特待生になるしか学校に留(とど)まる方法はないという状況に置かれました。
特待生になるには成績で1番にならなければなりません。
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そこで猛勉強したわけですが、自分が1番になるために他の学生が失敗するのを喜ぶような気持ちがあるのがどうしても嫌だったそうです。
そこで考えたのが、すべての学科で100点を取ること。
これならほかの学生のことを気にしなくてすむわけです。
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英文科の学生なのでドイツ語の単位は取得しなくてよかったのですが、自発的にコツコツと勉強していたのだそうです。
ある時ドイツ人の先生に呼ばれ「これを訳してみなさい」とコピーを手渡されました。
それが何と前日勉強したばかりの文章だったのです。
渡部昇一先生は難なくそれを訳し、その瞬間ドイツへの留学生に選ばれ、それから運命の扉が開かれていったというわけです。
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他から強制されたり、今やっておかなければいけなかったりすることはないけれど、なぜか自発的に“やっておきたい”ことがあります。
自分の心から湧き上がってくる「内発的」なものに動かされて、それが将来への伏線になっていることがあるのです。
渡部昇一先生にとっては、それがドイツ語だったというわけです。
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それ以降、渡部昇一先生の人生にはいくつもの「ラッキー」が降りかかってきました。
渡部昇一先生いわく「たゆまない努力を続けていると、ある日突然に天から梯子(はしご)が降りてくる」。
ところが面白いことに一度「天からハシゴ」が降りてくると「降り癖」がつくのだそうです。
いくらでも降りてくるといった状態。
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これを悠然と当たり前のように受け入れるのが「運をつかむ力」であって、努力や才能とは次元が違う「心の姿勢」ともいうべきものなのです。
「厭々ながら」とか「歯を食いしばって」とかいうのは、天はどうも好きではないらしく、マーフィーの法則もその点を強調しています。
ちなみにマーフィーの法則を書いてベストセラーとなった「大島淳一」は渡部昇一先生の若い頃のペンネームなのです。