もう一度「企業理念」を ①

人生の後半戦は時間との戦いでもあります。
自分が何をしたいのか、会社をどういう方向に持って行きたいのかをハッキリ決めておかないと、時間がいくらあっても足らないのです。
若い時のように、闇雲に猪突猛進すればいいというものではありません。
目標を定め、そのためのルートを考え、実行していかなければならないと思っています。

目標にも大義名分があって「自分の精神性が向上し、かつ世の中の役に立つこと」が不可欠です。
例えば「パチンコの達人になる」などという目標では、人生の後半戦を費やす気にはなりません。
また自分の不得意なことや嫌なことだと、最初から「やる気」にならないし、また続くわけがないのです。

先日、ある会で企業理念を問うアンケートがありました。
私はせっかく以前に企業理念を考えていたのに、咄嗟(とっさ)に思い出せず「人手のかからない累積経営」と書いてしまいました。
正解は「不動産活用と能力開発で、世の中に活気と繁栄をもたらす」だったのです。
肝心の時に思い出さない企業理念など意味がないわけで、これからは活字にして会社に貼っておこうかと考えています。

一つの事業の寿命は30年で、もし会社が同じ事業だけを続けているなら、会社の寿命もやはり30年ということになります。
とても分かりやすい例がフィルム事業でしょう。
デジカメの登場で、銀塩フィルムの需要が皆無になった後、どうなったかということです。
フィルムメーカーの巨人であったコダックは潰れ、富士フィルムは隆々として残っています。
フィルムに変わる次の事業に上手く移行したかどうかの差なのです。

当社は創業67年なのですが、最初の40年ほどが土木業、あとの30年ほどは不動産業として事業を営んできました。
年数的に言っても、ここらでもう一度変化する時期なのです。
ルーティンワークに流されないで、じっくり考える時間を作ろうと思っています。