U社に学ぶ その3

会社創業後30年して残っている会社の確率は0.25%とのことです。
U社の創業は1969年。
45年存続しているので、もっと小さな確率の中に入っているはずです(ちなみに当社はもうすぐ創業70年なので、これだけは唯一U社に勝てる点です)。

U社は環境整備では、たぶん日本でもトップクラスの会社だと思います。
モノを出来るだけ持たないようにしているとのこと。
ムダなものはドンドン捨てていくのです。
こんな例があります。
軍艦を普通に使用していると、乗組員の私物が増え、従って船がその分重くなり、毎年1センチずつ沈んでいくのだそうです。
重くなると、その軍艦の本来の能力が発揮できないのです。

いらない仕事を一生懸命にやっていることにも、気をつけないといけないとのこと。
放っておくと、会社にはムダな仕事がいっぱい増えてくるのです。
従って「仕事の棚卸!」が必要なのです。

「利益を生む分野に事業を絞り込む」のも大切。
ひょっとしたら社長の一番重要な仕事なのかもしれません。
「高収益事業への移行」があってこそ、会社というのは継続するのだと思います。
世の中は常に変化していっており、商品や事業にも寿命があります。
いつまでも同じところで固執していると、いつの間にか時代とともに消え去る運命が待っています。

U社は不動産会社なのに「不要不急の不動産は持たない」のだそうです。
環境整備は最高の営業マンであり、社員がみんなで道路を掃除している姿を見て、お客さんが勝手に「おいしい仕事」を持ち込んで下さることも少なくなかったとのこと。

U社は強固な財務体質を目標とし、また実現しているのですが、これは1929年のアメリカの大恐慌のようなことが起こっても、生き延びることを目指しているからです。
1929年の大恐慌では、株価が90%減、即ち10分の1になりました。
また物価は50%、即ち半分。
失業率は25%でした(ちなみにこれは今のスペインやギリシャと同じです)。

U社は営業エリアの拡大を目標としてこなかったので、ごく最近まで1店舗のみでの営業でした。
逆に注力してきたことは、逆境に備え自己資本を厚くすることで、これはいくら厚すぎても厚すぎることはないとのことです。
最後にU社長の口から「不動産という仕事にかかわらず、他分野への進出の時期かかもしれない」との言葉が出て、これがかなり印象的でありました。