ギリシャ危機の影響で、ユーロが売られユーロ安になる傾向が見られます。
6月17日のギリシャの再選挙によって、どういう結果が出るかは分からないのですが、万一「緊縮反対派」が勝利すれば、為替市場はかなり動揺すると思われます。
全面的「ユーロ安」、即ち円高となるのは間違いがないところでしょう。
38歳のイケメン左派リーダーの人気が盛り上がってくると、案外そちらの方に傾きそうなリスクもあります。
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EU(というよりドイツ)は、ギリシャをユーロから離脱させない意向をハッキリと打ち出していますが、もしギリシャ国民自身がEUからの離脱を主張した場合は、ギリシャをEUに留めておく理由がなくなります。
そうなるとEUからギリシャへの援助がなくなり、ギリシャ経済は最大級の危機を迎えます。
が、逆にEUにとってそれが危機かどうかと言えば、あまり危機ではないのではないかという気もするのです。
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むしろ足を引っ張る存在がなくなり、EU全体にとってはプラスに働くのではないでしょうか。
元々ギリシャはEUに入れるような財務内容ではなかったわけで、ギリシャをEUに入れたこと自体が間違っていたともいえます。
ギリシャはEU内ではわずか3%の経済力しか持っていないので、ギリシャがいようがいるまいが、EU経済にとってはほとんど影響がない話なのであります。
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ギリシャは昔の通貨(ドラクマ)に戻るわけですが、ドラクマは以前の数百分の1の価値しか持たなくなっているはずです。
国家破綻とはそういうことでもあります。
輸入は大変ですが、輸出はひじょうに楽です。
しかしギリシャに輸出するに値する商品があるのかどうかは疑問でもあります。
ただしギリシャは一流の観光資源を持っているので、それを軸にした経済再建が考えられます。
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EUにとっては、ギリシャという「不良債権」を切り離してしまえることは、今後のプラスになるはずです。
不良資産や不良債権を損切りすることが、会社の次への成長へとつながっていくのと同じです。
従って、今ギリシャ問題がクローズアップされるごとにユーロが下落する動きがありますが、本当は反対のユーロ高へ向かってもいいはずなのです。
市場がいつそれに気がつくかを「円高応援団」の私としては、息をひそめて見守っているところであります。