会社繁栄「掃除道」 その7

あるコンサルタントの話です。
「会社の掃除が行き届いていても、あまり儲かっていない例はあるのだが、汚い会社で儲かっているところはない」。
さらに私の観察を付け加えるなら「汚い会社のままで、いま大儲けしているところがあっても、近い将来、経営が必ずおかしくなる」。

かつてバブルの頃、内部があまりキレイとは言い難い銀行がありました。
しかしその銀行は儲けに儲けていました。
ところがバブル崩壊とともに、その銀行は他の銀行に吸収合併されてしまったのです。
吸収合併されなければ倒産していたはず。
「ああ、やっぱり」というのが私の感想です。

「掃除をすると儲かるようになるのか?」の質問には「即効性は期待してはいけない」が、20年間続けてきた私の答。
ただし掃除はP/L(損益計算書)には効かないけれど、B/S(バランスシート)には効果があります。
掃除をやったからといって、売上や利益が即よくなるということはないのですが、いつの間にか財務内容がよくなっていくのです。

掃除をやっていると過剰在庫がよく分かるようになります。
余分な備品や道具も目についてくるのです。
在庫は形を変えた現金。
つまり掃除をすると、余計な現金の支出を抑えることが出来るということは言えるかもしれません。
しかしどうもそれだけではないような気がするのです。

掃除をすると、経営者の努力を超えたところで、天が味方してくれていると感じることが多々あります。
オカルトチックなことを言っているのではなく、実際に掃除を続けていくと、運がよくなったり、いくつもラッキー体験が得られたりするのです。
掃除をしても儲かるとは限らないけれど、「掃除をすると運がよくなる」は断言できそうです。