会社繁栄「掃除道」 その24

鍵山流掃除を完全に20年間やり続けました。
毎朝始業時間までに2時間の時間を使って、会社とその周辺を掃除してきました。
その時間と労力は相当のものがあったと思います。
私だけでなく、特に若い社員などには半強制で掃除をやってもらってきました。

「そんなに手間暇かけて掃除をして意味があるのか?」の疑問に対しては「わからない」としか答えようがありません。
掃除に徹しているのに倒産する会社があるのかどうかは知らないのですが、キチンと掃除をしていくと、倒産しにくい会社になることだけは間違いがないようです。
掃除はイマイチだけど、すごい勢いで伸びていたり、すごく儲けていたりする会社が、儲けのピークを過ぎてから3年ほどで倒産する例はいくつも見てきました。
銀行でもそうなのです。

逆に経営状態が悪くなると「整理・整頓・清掃」などの職場環境が乱れ出すというのは100%の事実です。
掃除をやったから「売上げが上がる」や「お金が入ってくる」はあまり期待しない方がいいのですが、「いつの間にか倒産しにくい会社になっている」は、私の経験でも大いに納得できるのです。
「掃除はP/Lには効かないけれど、B/Sには効果がある」は今や確信となっています。

時間があまりにもなくなってきて、鍵山流掃除を続けるか(つまり2時間掃除に費やすのか)、いったん「卒業」し(とは言え、全くやめてしまうわけではありません)仕事や勉強への時間を確保するのかの、迷いがここしばらくありました。
朝5時に出社して仕事をしていた頃もあるのですが、今思うとどうしてそういうことが可能だったのかがよく分かりません。
今はその時よりも早く起きていると思うのですが、さまざまな「儀式」が増え、一日の仕事のスタート時間が4,5時間遅くなっているのです。

ここまで書いてきて、やはり「掃除には手を抜くまい」との気持ちが強くなってきました。
今これを書いていて、先日発見した、当社の雑巾などを洗うシンクの汚れが、頭の中に現れてきて仕方がないのです。
シンクの黒ずみなどは、一度つくとなかなか取れないのです。
「掃除は卒業」などというのは、ある種の傲慢さであり、また心の油断だったのかもしれません。
早く気がついて本当によかったと思います。