多読と語彙力

ドイツで書店に入った時、なかなか自分に合った本が見つかりませんでした。
探しまくって、ようやくこれなら読めると思った本が、何と幼児用の絵本。
2冊買ったのですが、どちらも「初めての絵本」といった題名がついていました。
ドイツの子供が初めて手にする本なのに、半分以上の単語が分からないのです。
ドイツ人の3,4歳児より単語数で劣っているのは、ちょっとショックです。

もう少し探してみると、ジュニア(小学校高学年〜中学生)用の本がありました。
当然知らない単語もいっぱいあるのですが、私自身が興味のある内容の本もいくつかありました。
特に気にいって買った本の題名が「ドイツ」と「ヨーロッパ」。
ジュニア用とはいえ、著者が「ドクターなんとか」といった人たちが書いており、内容は気合が入っているのです。

帰りの飛行機の中で、手持ちの日本語の本が少なかったこともあり、このドイツ語の本を読んでみました。
結論から言うと、とても面白かったのです。
知らない単語の方が圧倒的に多いのですが、辞書を全く引かずに読み進めていきました。
日本語の本の時のように「飛ばし読み」をせず、一語一語ていねいに読みました。
ヨーロッパについて書かれた本だったのですが、私自身がEUにとても興味があるのと、地図や図解の資料がカラーで多く載っていたので、最後まで読めたのであります。

英文でも辞書を引き倒さないと読んだ気にならないのが、普通の語学学習法だと思うのですが、こういう読み方もあるのだということに気がつきました。
実際、いちいち辞書を引いていては、面倒くさくて読めたものではありません。
本は本来楽しむべきものなのに、苦行のようなことをしていては継続できるわけがありません。

今回の経験で3つのことを学びました。
一つは、簡単な本をどんどん読んでいくべきだということ。
また自分が興味や知識のないことは、読んでいても面白くないので(これは日本語でも同じでしょう)、まずは「興味の幅」を広げるべきだということ。
そして最後に「語学は語彙力(ボキャビュラリー)に尽きる」ということがよく分かったのです。
単語さえ分かれば意味はつかめるのです。
「何が何でもボキャビュラリー」と「簡単な本の多読」は、今後の私の語学マスターのための大きな柱になりそうです。