「円高」は悪いのか?その1 

通貨が強くなるというのは、その国と国民にとって祝福すべきことに違いありません。
円が上がれば、何もしなくても国と国民が豊かになります。
例えば石油を買う場合でも、1ドル140円の時より、1ドル70円の時の方が倍の量が買えるわけです。
有名な経済評論家の中にも「円安にすべし」と主張する人がいるのですが、本当にそれがいいのだろうかと疑問に思うのです。

円安がいいというのは、輸出産業が輸出しやすいというのが唯一の根拠です。
しかし輸出製品が100%国内で生産されるのならともかく、その製品の原材料は円高の方が安く買えるわけです。
日本経済は輸出に依存しているというのは思い込みで、GDPに占める割合は約15%。
ドイツや韓国は輸出がGDPの半分近くを占めるので、この場合は明らかに輸出依存と言えるわけですが、日本はそうではないのです。
従って極端なことを言えば、円高だと85%の国民が豊かになり、円安だと15%の人だけにメリットがあると言えなくもありません。

そもそも円高・円安は相対的なもの。
「1ドルが80円だと円高というのは誰が決めたの?」という疑問もあるのです。
戦前は1ドル2円。
それから言えば、今なお随分と円安ではないですか。
早く元の1ドル2円に戻したいとも思うのです。
1ドル2円だと、原材料や農産物の入手に困るということはまずありません。
海外の企業だって簡単に買収出来てしまいます(実際は簡単ではないと思いますが)。
ひょっとしたらどこかの国土すら購入できるかもしれません。