「¥」のマークは当然「円」を表すものだと思っていたのですが、中国の「元」の表示にも使うことを知った時は、ちょっとショックでした。
これでは国際的にみて“ややこしくて”仕方がなく、混乱やミスもするのではないかと危惧もします。
今後は「¥」が円を表すのか元をあらわすのかの、静かな戦いが世界の金融市場の随所であるかもしれません。
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中国がまた強引に割り込んできて「¥」の表示を使ったのかと思ったのですが、どうも”もともと”「円」自体が、中国の貨幣の単位である「圓」から来ているようなのです。
すなわち、日本も中国も韓国も「圓」であったものが、日本は「円」の字を使うようになり、中国は同じ「yuen」の発音である「元」を使うようになったのだとか。
私はてっきり「元」はモンゴル帝国の「元」から来ているのだと思っていました。
つまりクビライ・ハンが中国を統治した時に、通貨の単位を「元」に制定したのだと推測していたのです。
韓国の通貨は「ウォン」ですが、これも「圓」を韓国語で発音したものとのこと。
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私は「円高こそ国益にかなう」と心底思っています。
急激な円高だと産業界を始め社会は混乱するかもしれませんが、やがて落ち着くと、明らかに円高のメリットが出てきます。
第一、日本人は何もしなくても「円」を持っているだけでリッチになっていくのです。
こんなに有利なことはありません。
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関東大震災のときは30%ほど円安になったようです。
関東大震災の時の日本経済はまだまだ脆弱でした。
が、今回の東日本大震災では逆に円高。
市場は円を文字通り買ってくれているのです。
このチャンスを是非とも活かしたいものです。
海外の資源も企業も、以前よりもずっと安く買えるのです。
海外の企業を買収した時は、それを運営していく経営力が問われます。
従って同業企業のM&Aが当然一番理にかなっているわけです。
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円高は短期的に見れば、輸出企業にとって大変厳しい現象です。
しかし日本の場合、輸出がGDPに占める割合は意外にも15%ほど。
これがドイツや韓国だとGDPの半分近くになります。
単純に言って、円高だと日本人の85%がそのメリットを享受できるのです。
ついでに言えば農業がGDPに占める割合は何と2%を切っているのです。
「2%のためにFTAやTPPを拒絶していいものなのか?」というのが、今の私の正直な気持ちです。