話題がアチコチに行く経済の話 その2

2012年は世界経済が厳しくなると思っているのですが、特にヨーロッパと中国が危険です。
EUギリシャ救済案を採択し、いったんは危機が回避されそうに見えます。
しかしギリシャの労組がゼネストを打つなど、肝心のギリシャ人自身の再建への腹が決まっていないうちは、何をやっても上手くいかないように思えるのです。

2回目、3回目の救済案は、今度は逆にドイツ国民の反発を買い、もうないと思うのです。
また相当ドラスティックな再建案を用意していかなければならないと思うのですが、果たしてそれらを実行していけるのかどうか?
いずれにせよ、若者の失業率が4割に達するのは異常としか言いようがありません。
いま世界各地のどこを見ても、新卒の就職が難しさを帯びていて大変です。

目を中国に向けると、今までの中国経済の矛盾が来年2012年に一気に噴き出すように思います。
GDPは消費と投資と政府支出から成り立ちますが、アメリカは個人消費が占める割合がGDPの7割、日本は6割です。
それに対し、中国はわずか3割。
従ってGDPを増やすには政府支出が一番手っ取り早いわけです。

リーマンショック後、中国政府は50兆円もの政府支出を行うことを発表し、実行しました。
同時に金融も“ゆるゆる”にし、資金が市場に流れるようにしました。
ところがそれらが実体経済に流れず、不動産投機へと向かってしまった感があります。
バブルはどこかで破裂するのです。
実は中国のバブルは既に破裂しており、2012年にそれがハッキリと顕在化すると私は見ています。

中国経済の超発展を支えてきたものが「輸出」と「不動産投資」。
中国製品は価格の安さで、世界中に輸出されてきました。
ところがリーマンショック後の世界経済の委縮で、輸出量が格段に減少しました。
中国沿岸部に生産工場を持つ会社の倒産がよく報道されるようにもなりました。

世界に通じる中国ブランドの商品は、今もってないはずです。
安いからこそ売れていたのですが、日本を始め(中国から見た)外資系の企業は、いま生産拠点を、猛烈な勢いで中国から他のアジア諸国に移動させています。
あのユニクロですら、中国での生産比率が5割を切るようになっているそうです。