中国経済の先行き その2

中国経済は「輸出」と「不動産業」によって支えられてきました。
中国の大企業の半分が外資系で、それらの輸出高が中国経済に貢献してきたのは間違いがありません。
その輸出も今や大きく落ち込んでいるはずです。

中国の地方政府が所有する土地を、開発業者に売却することにより利益を上げてきました。
開発業者は国営銀行から融資を受け、住宅やビルを建てて分譲するわけです。
今までは、大規模な供給量を上回る需要があり、不動産の大ブームが起こったわけです。

例えば上海のマンション価格は、日本の関西よりも、ずっと高いように思います。
関西圏だと3,000万円ぐらいで分譲されるマンションが、5,000万円ぐらいで分譲されています。
当地の年収水準から言えば、完全に1億円を超える感覚。

日本でもバブルの時は、同じような現象が起こりました。
誰が買うのかと不思議がられながら、それでもドンドン売れていったのです。
バブルの力は津波のようなもので、押し寄せる力もスゴイけれども、引き下がる力も尋常ではないのです。

中国では長い間、あまりにも市場原理を無視したやり方を取ってきました。
無茶をすれば必ずその反動が来るのです。
中国の高速鉄道が大事故を起こし、30数名の犠牲者が出ましたが、乗客がガラガラだったからこそ、あれだけの犠牲ですんだとも言えます。
料金が高すぎて、ほとんど誰も乗らないのです。
莫大な投資をして空気を運んでいるようなことをしていては、経営が成り立つはずがないのですが、そういった経済原理は全く無視して建設が推し進められてきました。
その反動が来ないわけがないのです。

私は中国の株式市場には全然興味がなかったのですが、たぶん経済動向には株式市場が一番よく反応するはずです。
そういった意味でも、少し注意して中国株の動きを見ていこうと思います。