ドルの垂れ流し

アメリカの景気回復策として、FRBがQE2政策を発表しました。
FRBとは連邦準備理事会のことで、アメリカの日銀のようなもの。
今の議長はベン・バーナンキです。
ひょっとしたら、今の世界で一番影響力がある立場かもしれません。
QE2はQE第2弾ということ。
QEはQuantity Easingの略で「量を緩(ゆる)める」、即ち量的緩和策のことです。
私は英語に興味があるので、easingという言葉を、こういうふうに使いのかと勉強になりました。

QE2政策は一言で言うと「ドル垂れ流し策」。
通貨が市場に大量に流れると、カネ回りがよくなったような気がして、消費や投資が増えだします。
が、あまりに大量にドルを印刷すると、今度はドルの価値が下がってしまいます。
ドル安にして、アメリカの輸出を増やそうという戦略が根底にあるので、思い切ったドル大量供給の手が打てるのだと思います。

石油を始め商品相場はドルで表示されます。
つまりドルは一種のモノサシ。
そのモノサシ自体のメモリが変わってきているので、商品相場が高くなったような気がするのです(ドル表示で行くと、実際高くなっているのですが)。
商品の価値自体は変わっていないのに、肝心のモノサシが変化してしまっているのです。

各国は外貨準備高を増やしています。
東南アジア諸国や韓国はかつて外貨準備高不足の虚を突かれ、ファンドに為替相場を攻撃されて、あやうく国家デフォルトになりかけた経験があります。
従って外貨準備は非常に大切。
輸出を頼みにする国の経済にとって、自国通貨高は大問題。

今回の各国による通貨安競争も、そこから来ています。
自国の通貨高を嫌う各国政府が、ドルを買ってドル安を阻止しようとするのですが、そうすると外貨準備が増えます。
それが時として国内での過剰流動性につながるのです。

日常商品は供給過剰気味なので、その過剰流動性は、ともすれば株や不動産に向かいます
(かつての日本のバブルでは絵画やゴルフ会員権も猛烈に値上がりしました)。
不況なのに株式市場での値が上がるという現象はこれが一因とも言えます。