比較的好調だったアジア経済も、株価が下落傾向で、不動産価格も下がり、景気も悪く、しかも具合の悪いことにインフレが進行しています。
特に中国経済は要注意。
日本の大手住宅メーカーが中国に進出し、マンション分譲を行っています。
これがけっこう中国の富裕層に好評だったのですが、最近中国から帰って来る駐在員がみんな「ちょっと景気が悪くなってきた」との報告をするのだそうです。
*
中国経済がダウンすると、日本経済への影響も避けられません。
夏以降の景気ダウンに今から準備しておかねばならないと考えています。
具体的にはキャッシュを手元に置き、在庫を急いで処分し、投資を差し控えるというものです。
知恵を絞って、さらにもう一段のコストダウンを考えています。
夏過ぎから秋ごろまでは慎重に動き、経営のスピードを緩めた方がいいかもしれません。
*
日本は円高が続いているので、あまりインフレを感じないのですが、日本以外の国ではモノの値段の高騰が政治問題になっています。
特に食料価格の大幅上昇は、社会不安にまで発展する可能性があります。
ドルが準備通貨の地位を維持している限り、いくらでも紙幣を印刷することが出来るのですが、あまりの垂れ流しによりドルが市場で余ってしまいました。
これがドル安の原因でもあります。
*
ユーロ安は「ギリシャ不安」から来ています。
ギリシャをユーロから離脱させればいいようなものですが、ギリシャは「対イスラム」や「対ロシア」の橋頭保の役割をしているため、そう簡単には切り離せないのです。
地政学的に必ずユーロ圏に入れておかねばならない地域なのです。
ギリシャ不安が揺らぐと、円高へ向かいます(即ちユーロ安)。
*
アメリカの失業率が下がらないと、QE3(金融緩和政策第3段)が行われる可能性が高くなります。
するとまたドルが市場へ流れ込み、ドル安要因となります。
QE3をやるかどうかは6月末までに分かるとのこと。
私は不動産業なので「円高」「円安」は直接的にはあまり関係ないのですが、1ドル60円の声を聞いても驚愕しないように心の準備を今からしておきたいと思っています。