私学経営とカリスマ教師

私は不動産業で、教育にはほとんど関係がないはずなのに、ある私学の評議員と、別の私学の幼稚園の監査をしています。
今日は前者の評議員会がありました。
この私学は幼稚園から高校までを擁し、経営責任者と中高の校長は大手民間企業出身の方がされています。
この評議員会は総勢20名ほどなのですが、だれも遅刻しないし、だれもタバコを吸わないという気持ちのいい会です。

学校事業は「少子化」の影響をモロに受けている産業です。
例えば平成元年と平成20年との15歳の人口を比べると、42%も減少しているのです。
4割以上も売上が減少すれば、ほとんどの会社は間違いなく赤字になります。
しかしながら生徒数は減少しているのに、学校の数は減っておらず、私学では入学定員を充足できない学校が何と約8割もあるのだそうです。
しかも私学の中の15%は、定員の半分も確保できていないとの惨状なのだそうです。

関西の中学・高校は有名私学が多く、一種のブランドになっているところもあります(例えば「灘」)。
一方では経営自体が立ち行かなくなり、大学の付属校となって生き残りを図るところも出てきました。
経済的要因から公立校への進学希望者も増え、私学は完全に勝ち組・負け組の二極化現象を起こしています。

外資系金融機関では、ヘッドハンティングがごく当たり前に行われてきていますが、今後は優秀な教員もスカウトされる時代になってきたような気がします。
「カリスマ教師」のヘッドハンティングやスカウト合戦も活発に行われていくのではないでしょうか。
教え方が上手い先生や、徳があり接するだけで精神性が高められるような先生との出会いは、生徒にとって一生の宝でもあります。

関西学院中学部で長い間部長(校長)をされていた矢内正一先生のような超カリスマは、単に教師というだけでなく、宗教家に近いオーラを持っておられました。
私は矢内正一先生の教え子ではないのですが、中学3年生の時、ご自宅でお話を2時間“差し”で聞いたことがあります。
大げさでなく、その時から私の人生が劇的に変わりました。
世の中にはわずか2時間で少年の運命を変えてしまうスゴイ人がいるのですね。
自分もそんな人になりたいものです。
そのための猛烈な努力は、やってみる価値が十分ありそうな気がしてきました。