知的遊空間

散歩しながら「自分がやりたい仕事はいったい何だろう?」と考えていた時、ふと“intelligent resort”という言葉が浮かびました。
日本語に訳せば「知的“遊”空間」とでも言いましょうか。
知的活動を楽しめる場の創造です。
ハーバード大学は「知的ディズニーランドだ」と看破した人がいましたが、いわばそんな感じ。

勉強というのは義務感があると、ちっとも面白くありません。
受験勉強なども、自分を鍛えるという意味ではいいのかもしれませんが、少なくとも魂がワクワクするものではありません。
しかし知的好奇心や知的興奮に支えられた勉強は、とどまるところを知らないぐらいに喜びがあふれ出します。
イギリスの産業革命で生まれた、経済力に余裕を持った知的階級が、英国の知的文化を高めていったと読んだことがあります。

日本でも伊能忠敬は、引き継いだ店をしっかりと繁栄させたあと、年下の師につき、測量という学問を修め、遂には大日本地図を完成させました。
経済的な憂えがなくなった後、自分の知的興味に没頭したわけです。
隠居まで行かなくても、徹底的に働いて一仕事終えた後も自分を生き生きとさせるものを持っているかどうかは、第二の人生の一大事でもあります。

「勉強したい」という心の底からの突き上げに、アメリカかイギリスかドイツかの大学もしくは大学院で学びたい気が強くしています。
あるいは「知的遊空間」を自分で作ってしまうかです。
日本でも大学をもっと社会人に開放してもいいのではないでしょうか。
学生よりも社会人の方がモチベーションはずっと高いように思います。

ここ2,3日、渡部昇一先生の歴史講義のCDを聞きながらお風呂に浸かっています。
渡部昇一先生は本来英語の先生で、歴史には門外漢のはずなのですが、その知識と深い洞察力に圧倒されます。
CDを聞いているだけで、知的意欲が湧き出て、ついでに汗もたっぷりと出て体重が減り一石二鳥です。

日本の大学院に留学に来ている中国人留学生のFさんと先日お話をしました。
Fさんの専攻は何と英語。
従ってFさんの英語はメイド・イン・ジャパン。
研究テーマは「現在完了形」だそうです。
当然、中国語と英語と日本語は完璧です。
今度Fさんから「英作文」を習うことになりました。
今でもムチャクチャ忙しいのに、余分に英語を勉強する時間があるのかどうかは、はなはだ疑問なのですが、ただ一つ言えることは、いま始めなければ一生やらないだろうということです。

誰が何と言おうと徹底的に働く。
働くには3つの意味があり「仕事」と「勉強」と「奉仕」。
そして95歳までバリバリの現役で働く。
ということで、ここに来て3つのバランスと勉強の質が変わりそうなのです。