すべてを白紙にして考える

ある建築家の人とお話した時に「時間さえあれば飛行機に乗り外国を見てくる」とのことをお聞きしました。
安藤忠雄さんも若い頃バックパックでほうぼうの建築物を見て回ったようです。
建築だけの話ではなく、海外を見て回ると、確かに視野が広がります。

盆や正月の休みには、出来るだけ海外、それもヨーロッパやアメリカに行くようにしています。
出来れば近隣のアジア諸国にももっと行きたい。
昨年の年末にソウルへ1泊2日の社員旅行をしました。
これが予想以上に充実していて、面白くてためになる旅行になりました。

もっと1泊2日の海外旅行が行けないものかと、いろいろ画策するのですが、やはり1泊2日だと韓国までが精一杯ですね。
例えば上海や北京だと飛行機で3時間ほどかかるので、移動だけで半日はたっぷりかかります。
会議やパーティーに出て帰ってくるだけなら可能かもしれませんが、じっくり街を見聞するには少々落ち着きません。
基本的には関西空港からの直行便が出ている都市のみがその候補となります。
大連なども直行便が出ている間に訪問しておきたいものです。

せっかく本を多読出来るし、語学も出来るのだから(いや自慢ではありません)、その能力をもっと何かに活かせないかと思うのです。
今の街の不動産屋のレベルでは、そういった特技を活かす余地はほとんどありません。
私が考える「働く」の中身には3つあって「仕事」と「勉強」と「奉仕」。
別におカネ儲けの仕事で能力を生かせなくっても、例えば「奉仕」で自分の能力を生かしきれないかと思います。
「自分はいったい何を持って世の中に役立てるのか?」を自問自答しています。

28歳の時に不動産業を始め(父親の代は建設業)、内容はともかく懸命に働いてきました。
ある本を読んでいたら、どんな大企業でも優良企業でも、25年に1度の割合で、会社存亡の危機が訪れるとのことです。
例えばあのGMが今のような状態になるなんて、誰が予想しえたでしょうか。
トヨタだって戦後一度倒産しかかっています。
ということで私も「‘90年バブル崩壊」の時に、25年に1度の危機をたっぷりと味わいました。
会社が潰れるかどうかの瀬戸際では「家族も犠牲にして一生懸命に働いてきて、自分はいったい何をしてきたのか?」と随分落ち込みました。

38歳の時に鍵山秀三郎先生と出会い、自分の生き方がすっかり変わりました。
以来毎朝2時間の掃除は欠かしたことがありません。
しかし自分で自分を少し縛りすぎているかも知れないと感じています。
同じ掃除をするにしても、自分の会社ばかりでなく、もっと周辺を清めていってもいいのではないか?
例えばゴミバサミとゴミ袋を持って、早朝の街を2時間歩き回ってみたいという気持ちもあります。

ゴミを拾うと街がきれいになる。
街がきれいになると、人の心のすさみがなくなり犯罪も少なくなる。
今の私の掃除の心境は、全く大袈裟でなく心底「日本を救うため」です。
私にとっての掃除は「愛国運動」でもあります。
掃除を初めて18年目になりますが、こういった気持ちは15年目ぐらいから芽生えてきました。

会社を経営し出してから28年。
幸いなことに会社は継続しています
ここらで一度すべてを白紙にして、今後どういう方向に向かっていくのかを考えたいと思うのです。
「何を持って世の中に役立つのか?」を考えることでもあります。
会社の事業方針、店舗方針、人事方針のすべてと、自分自身の人生方針。
本気で考え抜いてみようと思います。