今後の不動産市況

不動産関係者の会合や勉強会に行くと、今年は相当厳しくなるという共通した認識があります。
しかも予想以上に長期にわたるのではないかとも。
価格が何倍にも高騰した地域であれば、目に見えて下落していくのでしょうが、わが地域は幸か不幸か今回のバブルは来ていません。
だからどういう動きになっていくのかは、ちょっと予測がつきません。
ただ地価が上昇するということだけはなさそうです。

昨年の夏休み以降、不動産市況は明らかに変化したようです。
ファンドなどの特殊な法人が失速するだけでなく、東京などでは「新価格」と称して値下げした価格が表示されることが多くなり、個人の実需自体も買い控え傾向が見られるようになりました。
金融機関からの不動産への融資のパイプも細くなっているようです。

新築マンションの売れ行き悪化が、マスコミにも取り上げられるようになりました。
となるとますます買い控えの傾向。
大幅値下げの物件も出てきだしています。
昨年完売した新築マンションの中には、もう既に中古市場からいっぱい出てきているものもあります。
投資用に買ったのかもしれません。
ということで、第6次マンションブームは終焉。

東京も地方も地価は当面、これより上昇することはないと断言できそうです。
90年バブルでもそうだったのですが、バブルが崩壊すると売り物件が増えてきます。
賃貸市場は長い間空室が多くて困っていたのですが、住宅購入予定者が賃貸市場に流れている兆候が見られます。

注文住宅の市場は縮小。
ずっと増え続けてきた賃貸住宅の着工数も遂に減少となりました。
国内の住宅需要の減少により、住宅メーカーの中には海外や非住宅への進出を図るところも出てきました。

今までのやり方をいったん白紙にして、「組織」「社員数」「店舗立地」「広告」「集客方法」「仕入れルートと手法」「商品企画」「商圏」「値付け」「コンセプト」などを根本的に考え直す時期にきているようです。
見直しの絶好の機会と言い換えてもいいかもしれません。

当社は創業61年ですが、不動産に転換してからは27年。
ここらでもう一度変化しようと考えています。
不動産サービス業から不動産オーナー業へ。
脱・労働集約型へ。
不動産を活かしていくのが、本来の不動産業。
「不動産活性化」こそ、不動産業の基本であり使命であると思うのです。