ウィナーズ倶楽部で考えたこと その2

ウィナーズ倶楽部関西大会の続きです。
メンバーの中には東京世田谷で不動産店を経営している人がいます。
世田谷の住宅地の地価は、バブル時は坪800万円。
50坪の土地だと4億円になります。
自宅用の普通の土地が4億円!
さすがに高すぎますよね。
今回のミニバブルでは坪300万円になったそうです。
バブルが弾けた今は坪200万円を切っているとのこと。

東京の一等地で坪200万円を切るのなら、宝塚で100万円は高いような気がします。
地価の二極化が言われてきましたが、宝塚でも駅近と利便性の悪い場所とでは、二極化の傾向が見られました。
前回のバブル前の落ち着いていた地価から言えば、今は駅近の土地は2割ぐらい高いように思います。
しかし利便性の悪い土地の中には、平成になってから一度も値上がりせずに、ずっと下がり続けているところもあります。
地価がどうなっていくかの基本的なイメージをきちんと持っていないと、今後の舵取りに大きな差が出てしまいます。

ミニバブルで不動産の価格が上がった背景には、低金利と積極融資があります。
金利の方は、いったん上昇の傾向が見えたのですが、サブプライム問題などの影響で、世界的に低金利政策が取られ、当分上昇はなさそうな雰囲気になってきました。
ただ融資の方は、かなり絞られる見込みで、少なくとも不動産には融資を出さない銀行が増えそうです。
資金繰りに逼迫するマンション・デベロッパーや建売業者や不動産業者が、この夏以降続出するかもしれません。
この半年ぐらいで、不動産価格が大きく変化する可能性があります。
少なくとも今年いっぱい、不動産の動向を見極める必要があるかもしれません。

ウィナーズ倶楽部のメンバーの中には、同じ不動産業でも、相続に特化した会社があります。
100%相続の仕事。
いわば「不動産業の相続特化型」ビジネスモデル。
相続には十中八九不動産が絡(から)みます。
この人の場合、相続を単に法的、技術的に扱うのではなく、相続人の人生をもいい方向に導く方法を取っています。
人間力を高めないと、相続問題は扱えない」や「相続において、譲る人は必ず幸せになっている」など、ちょっと他の相続コンサルタントとは違う哲学をお持ちです。
たぶんこのブログでも、この方のことをいずれ書く機会が出てくると思っています。
その時は実名で。

ウィナーズ倶楽部のメンバーでは、毎年いい業績を上げている会社も少なくないのですが、よく観察してみると、その会社の市場はけっこう小さいのです。
人口で言えば10万人に満たない地域。
そんな中で、売買にせよ、賃貸にせよ、建築にせよ、圧倒的なナンバーワンの会社がよく儲けているのです。
ランチェスターの法則が見事に当てはまっています。

「ダイレクト賃貸」を推し進めている会社もあります。
ダイレクト賃貸とは「1年間の定期借家契約の家具付き賃貸物件」。
定期借家契約を活用しているところが、少しマンスリーと違うところ。
無論、ダイレクト賃貸の専用サイトもこしらえているそうです。
この会社のすごいところは、一つの賃貸物件を「普通賃貸」・「マンスリー」・「ダイレクト賃貸」の3つの形態で、集客間口を広めているところです。
一つの形にこだわらない、混合した運用方法でもって、入居率を高める。
また集客方法も、遠方者や法人用に「インターネット」、都内23区用に「紙媒体」、近隣の住み替え者用に「現地看板」とあらゆる層に対応しています。

もっとすごいのは、自社で購入した賃貸物件を、こうした方法で利回りを高め、3年から5年で収益物件として再販売することです。
知恵と工夫でインカムゲインを高め、そしてキャピタルゲインもターゲットに置いている。
いやはや恐れ入りました。

一つ非常に参考になったのが「定期借家権」の活用です。
定期借家契約だと、悪質入居者との再契約をしなくてすみます。
「定期借家権」が制度としてあることは当然知っていたのですが、実務的に活用することをすっかり忘れていました。
インターネットで定期借家権の本を10冊ほど注文しました。
もう一度しっかりと勉強し、当社でも今後もっと活用していきたいと考えています。

家具や備品をトータル・コーディネートして設置してくれる専門業者もあるそうです。
東京だと家具付き部屋の競合も激しく、おシャレで清潔でなければ競争に勝てなくなっているのかもしれません。
また大手のマンスリー・マンション会社だと契約書が統一されており、法人が使いやすいとも聞きました。
単なるリロケーションだと、不動産会社によって契約内容が違うので、総務が使いにくいとのこと。
こんな細かいことまでは全く気がつきませんでした。
中小不動産会社でも契約書を統一していく必要があるかもしれません。